R-140SS改造計画・レデューサーコレクターの比較検証

  • 2018.09.20 Thursday
  • 15:09

 9月16日に21P/ジャコビニ=ツィナー彗星の直焦撮影をしたとき、画面隅にいつもの数珠状ゴーストが出たので、ちょうど良い機会どばかり、先日から工作していたレデューサーコレクターのテストを行った。まずは画像から。

 

1)『組立望遠鏡』対物レンズ(アクロマート・f.l.=273mm、たぶんノンコート、ケント紙枠)

 まず全体像では、左下に大きく数珠状に連なるゴーストが出ている。また、ピクセル等倍では、火星シフトで最近放置していたため、光軸がずれている。Web用に縮小した画像では目立たないが、星像がきれいな丸になっていない。しかし贅沢いっても始まらないので、これを評価基準用の画像とする。

 

2)Φ39mmクローズアップレンズNo.4(単レンズ・f.l.=250mm、マルチコート、ケント紙枠)

 こちらはレンズが単レンズになるかわりに、マルチコートになった。レンズの位置は1)と変わらない。ゴーストは相変わらずなので、まずノンコート面の反射やレンズ接合部のコバが塗れていないことが原因ではなさそうだ。ピクセル等倍画像では、中心像はわずかに甘く、周辺の収差も大きくなっている。それより色収差が目立つのが難点だろう。

 

3)ACクローズアップレンズNo.4(アクロマート・f.l.=250mm、マルチコート、Tリング組み込み)

 こちらはレンズの焦点距離とコーティングは2)と同じ。アクロマートであることは1)と同じ、レンズの位置はTリングの中なので、たぶん1cmほど対物寄りになっている。全体像でのゴーストはまだ残っているが、だいぶ減った。これはレンズ枠の違い(ケント紙枠が無い)によるものかもしれないが、先のエントリーであげた画像はすこし構図を変えただけでゴーストがなくなっており、この画像でもたぶん微妙な構図の違いによる変化ではないかと思われる。となると、ケント紙枠もゴーストには関係ないということになる。一方のピクセル等倍画像では、中心像は2)同様、1)よりやや甘く、周辺像も1)より乱れている。光軸修正をすればだいぶ良くなると思われるが、それでもシャープさでは1)に劣るだろう。また、光軸のずれにも敏感そうだ。

 

 こうしてみると、1)のレンズの優秀さが改めて感じられる。レデューサーコレクターのレンズは現状のまま1)で行くとして、今後の改造の方向性が見えてきた。

 まず、レデューサーコレクターの枠を作り直す。できるだけ反射をおさえるために黒ケント紙を遣い、更にユニポスカで塗装する。現行のレンズ枠は、マウント側にMFAフィルターを装着するためにフィルター枠の厚みのぶんレンズ押さえ環が厚い。これを改良すれば、レンズを更に2mmほどセンサーに近付けることができる。以前のテストではマウント面ベタ置きと違いがわからなかったが、枠を作り直すのなら改良するほうがすっきりする。

 次に、ゴースト対策。これは現状では決め手が無いが、レデューサーコレクターが原因ではないとなると、少しは気が楽になる。現在いちばん疑っているのは、補正板のコバ。一応塗ってはいるが、砂目にはなっていないのでツヤがある。すこし口径が勿体ないが、現状の14cmを13cmに絞って試してみようかと思っている。相対的に斜鏡の遮蔽が大きくなるが、それでもε130と同じなので大きな問題にはならないだろう。

R-140SS改造計画・誤算と感心。

  • 2018.08.26 Sunday
  • 21:44

 レデューサーコレクター改造材料のうち、Kenko ACクローズアップレンズNo.4とTリングが届いたので、さっそく工作してみた。

並べた材料のうち、左上が以前2インチ(Φ48mm)と間違えて購入したMALUMIのソフトフィルターをばらしたもの。隣がEOS用Tリング、そしてACクローズアップレンズNo.4、カニ眼は以前、EF300mmの改造に使ったもの。

Φ49mmのガラス部分は径46mm、レンズ押さえ環の内径は45mm、外径は48mm。レンズに1mm厚の枠を巻くとよいのだが、巻くのは面倒なので、厚手の両面テープと黒の樹脂板で3方向に支持具をつくった。これをTリングに落とし込んで・・・

Tリングのマウント内側は、レンズと押さえ環でちょうど埋まるくらいの厚みだった。先人の実験例よりもレンズをセンサーに近付けてみようという目論見は、結局叶わなかった。

工作で汚れたレンズ部分を、無水エタノールで拭きあげて工作終了。無水エタノールはレーザー機器の清掃用にストックしているのですぐに使える。そしてできあがったレデューサーコレクターは、まるで既製品みたいな仕上がり。 Tリングのマウント内側のネジがΦ49mmフィルターのそれと同じ規格であることを見いだした先人に感謝。あとは、これを実際にテストするだけだ。果たして数珠状ゴーストは消えるのか。そして球面収差は許容範囲内か?コマ収差の量は?・・・まだあれこれ問題山積だが、その前に腰をなんとかしないといけないだろう。

R-140SS改造計画・1年経って改造再び。

  • 2018.08.25 Saturday
  • 23:11

 昨年夏に実証テストをして、秋には実戦配備したR-140SS改II、時折写野の隅に出る数珠状ゴーストを除いては、極めて快調だ。εに比べると星像は1.5倍ほどのようだが、星像とハロのバランスでピント位置を決めていたMPCC mk.IIIの頃と比べると、バーティノフマスクで合わせるだけでほぼ合焦した状態になる。しかし、数珠状ゴーストの発生源は未だに絞り込めず、本来あったものが、写野が拡がったために写り込むようになったものなのか、それともノンコートと思われるレデューサーコレクターが悪さをしているのか、はっきりしない。そこで、再びレデューサーコレクターを改造することにした。

 まずはレンズ選び。現在のレンズは『15分でできる組立望遠鏡』の口径42mm、焦点距離273mmのアクロマートである。口径40mm前後で焦点距離250〜333mmのアクロマートを探してみたが、条件に合うものが見つからない。そこで、近いスペックのレンズをいくつか揃えてテストすることにした。

 

【計画案1】

 口径が近いクローズアップレンズを探すと、MARUMI MCクローズアップフィルターΦ40.5mm+4というのが見つかった。IDAS MFAシステムは薄枠37mmだから蹴られる心配はなさそうだし、フィルター枠の外形はたぶん42mmくらいと思われるので、現在のレデューサーコレクターのレンズと入れ替えてテストすることもできる。MCだからゴーストは出にくいと思われる。

 問題はふたつ。ひとつ目はこれが単レンズであること。色収差がどれくらい出るものか心配である。ふたつ目は、焦点距離が250mmと若干短くなること。球面収差がすこし強くなるので、星像のまわりにハロができるのではと思われる。幸い、センサーからの距離は、EF-Sマウントの凹面からTリングの中まで自由に調節できるので、色収差さえ問題なければ最適な条件を探すこともできそうだが、あまりセンサーから離しすぎると蹴られが問題になってくるだろう。

【計画案2】

 こちらのほうは、すこし複雑になる。アクロマートレンズにこだわって探すと、KenkoクローズアップレンズAC No.4というのが出てくる。焦点距離250mmのMCアクロマートだが、問題は最小口径が49mmであること。幸いKenkoのTマウント内側にはΦ49ネジが切ってあり、多少の工作でレンズをTリングに内蔵することができそうだ。これなら少なくとも色収差は問題にはならない。

 問題もいくつかある。ひとつは計画案1と同様、レデューサーコレクターの球面収差が強くなること。実際、先人の実験例では、球面収差のため星像が肥大している。その実験例ではレデューサーコレクターのレンズ位置はTリングのほぼ中央、センサーから最も離れたところになっているが、手許に余っている49mmフィルター枠があるので、レンズ押さえ環をふたつ使えばもっとセンサー寄りに固定することができる。計画案1ほどではないが、これで星像がどう変わるか興味深いところだ。

 もうひとつの問題は、無改造のときほどではないが、コマ収差が残っていること。これは計画案1でも問題になるかもしれないし、レンズの固定位置によってもどう変動するかわからない。ただ、どうしてもコマ収差が残った場合は、補正板の位置を主鏡から離すことで解決することができる。鏡筒を新造することになるので、かなり大がかりな工作になってしまうのが難点だ。

 

 レデューサーコレクターにするレンズの焦点距離と固定位置の関係からいえば、現在のレンズより焦点距離が長いものを、もっとセンサー寄りに固定するのが理想的だ。ミラーボックスがあるためそれができず、少し焦点距離が短いレンズをEF-Sマウント面に固定しているのが現状だが、幸い球面収差もコマ収差も許容範囲におさまっている。今回の計画案は両方とも、現状より焦点距離が短いレンズを使うので、球面収差は必然的に大きくなる。手間を掛けて工作しても、はたして数珠状ゴーストが消えてくれるかどうかわからない。仮に消えたとしても、球面収差が許容範囲を超えるようであれば、計画を進めることは無意味になる。現状の星像には届かないにしても、MPCC mk.III使用時の星像より鋭くなり、数珠状ゴーストも消えるようであれば成功と判断しようと思う。

R-140SS改造計画・そろそろ実戦かな?

  • 2017.09.20 Wednesday
  • 22:15

 9月半ばの連休は台風と出張が重なり、1泊2日のはずが2泊3日に。帰りは連休最終日の夕方になってしまった。日中は台風一過の晴天だったので、条件は良いだろうと踏んで白木峰に出撃。

 思っていたより抜けが悪く、湿気でべたべた。おかげで南西方向は光害かぶり。AT-X116を11mmF2.8で、ISO1600,29秒露出5枚を恒星基準でコンポジットしてみたら、なんとか重なってくれた。これが8枚になったら写野回転を吸収できず、うまく重なってくれないようだ。

 抜けが悪かったので、R-140SS改IIにはAstroLPR Type1をつけて、ケフェウス座のゾウの鼻を狙ってみた。ところが途中でPHD-2がフリーズしたり、ガイドが暴走したり。おまけに10分露出にしようとしたら流れたり、パラメーターをあれこれいじって、いざ撮影にかかったら雲がきてアウト。

 ISO1600で、とれたデータは10分と6分20秒しかなかったが、口惜しいので処理してみた。RAP2で色とレベルをあわせて、ダークはないので輝点黒点除去を2回ずつかけて、ステライメージでコンポジット、周辺減光を簡易補正、フォトショップのグラデーションマスクでミラー切れを補正、チャンネルマスクで赤成分を強調、NicCollectionで微調整。こうしてみると、枚数さえ多ければダークは要らないんじゃないかと思えてくる。

 今回はっきりしたのは、1等星じゃなくても近くに明るい星があると、右上の環のようなゴーストが出るということ。レデューサーフラットナーのコバ塗りと、まわりのつや消し塗装が急務である。それから、フリーズしたと勘違いしたPHD-2を落としたときに暴走したということ。暴走の原因にはDynaBookとPHD-2の相性の関係があるのかもしれない。これまで何度か挑戦して、まだうまく撮れたためしがないゾウの鼻、近いうちにリベンジしたいものだ。

 

R-140SS改造計画・2インチフィルターでの試写(2)

  • 2017.09.06 Wednesday
  • 21:58

 R-140SS改IIは、前回MFAから2インチフィルターに変更したものの、まだゴーストにしつこくつきまとわれている。今回は、2インチフィルターを少し傾けて効果を見ることにした。

 まず、どうやってフィルターを傾けるかで悩んだ。最初はフィルター枠を分解して、フィルター本体に下駄をはかせることを検討したが、どうにもうまくいかない。そこで、ちょうど2インチスペーサーの代わりに分解した48mmフィルター枠があったのを思い出し、黒塗りのアルミテープを使って2インチスリーブの先端に固定した。これでフィルターはいじらなくても済むし、センサーの短辺方向に傾ければ透過波長のずれを最小限に抑えることができる。工作終了後、上弦の半月だったが、試写ならできると考えて出撃した。

 雲は多かったが、おおむね快晴。本当は輝星が多いM45を狙いたかったが、まだ時間が早いのでまずは北アメリカ&ペリカンを。デネブのゴーストが出るのはわかっているが、AstroLPR Type-Iのテストとしては良い対象である。ISO3200の5分露出、8コマを目指したが7コマ目でガイドが暴走して終了。

 AstroLPR Type-Iは、IDASのLPS-Vシリーズに比べると青波長域の透過幅が広く、そのためかやや被り気味の画像になってしまった。しかし半月でこれならまあまあで、ブライトリムも赤チャンネルマスクを使わなくても立体的に写る。写野内の輝星程度ではゴーストはできず、右上のデネブによるゴーストの対策さえできればこの鏡筒も実用段階に入りそうだ。

 撮影データ:2017年9月1日01:00:16〜,R-140SS改II(d=140mm,F3.06),EOS600Da(AstroLPR Type-I,ISO3200,5min,8コマコンポジット)

 M45が昇ってきたので数コマ撮影してみたが、しばらくしてC/2017O1ASASSN彗星が近くに居るのを思いだして、狙ってみた。AstroLPR Type-Iは元来彗星の尾を強調するのが目的のようなので、月明のもとで良いテストになった。この日の光度は8.6等とまだ小粒だが、短い尾を右側に伸ばしている。

 ここまではISO3200での撮影。撤収時にダークフレームを撮影したが、何故か記録できておらず、ダーク減算無しで処理しないといけなかった。スカイフラットは前回のを流用し、RAP2の輝点・黒点除去のみである。ISO1600になるともう少し良くなるはずなので、ダーク無しというのもアリかもしれない。

 そうこうしているうちに月が沈んだので、前回同様のAstroLPR Type-II、ISO1600の5分露出、4コマコンポジットでM45を狙ってみた。右上にシュミット補正板によるゴーストが数匹泳いでいるが、これは仕方ないので無視するとしよう。フィルター由来のゴーストはうまく追い払うことができた。しばらくはフィルター枠仮固定のままで輝星が多い冬の星雲を写してみて、結果が良ければきちんと固定することにしよう。そうそう、HEUIB-IIも2インチのを買わないと。ちょこまかした散財はしばらく続きそうだ。

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