H-IIB最終号機を見送る。

  • 2020.05.24 Sunday
  • 19:53

 水曜深夜というか、木曜未明というか、H-IIB最終号機が02:31に打ち上げられた。ちょうどコロナ禍対応で、木曜を休診にしていたので、これは見逃すわけにはいかない。AstroGPVでは曇りの予報だったが、夕方の時点で快晴だったので出撃することにした。

 場所は小長井のいつもの場所、前2回もここで撮影したので、雲仙をまたぐように飛んでいく航跡の見当をつけやすい。今回は夏の天の川を背景に打ち上がるので、なんとか天の川と航跡を両立させたかった。FBであれこれ相談して、嬉野Kさんから追尾+固定ではどうかとヒントをいただいたので、ポラリエを持ち出して実行することにした。

 現地には余裕をもって到着したのだが、そこからが一筋縄ではいかなかった。

 まずは極軸調整用の微動架台(K-AstecのXY50)にポラリエを固定するためのネジが見つからない。やっと見つかったかと思えば、こんどはうまく嵌まらない。六角レンチを探し出して、XY50をいったん分解してようやく組みたてることができた。

 次はポラリエ本体。ドイツ式の赤緯体を固定しているネジが緩んでいる。これは赤緯体の外枠と内枠の穴を合わせて、その奥に見えるネジを六角レンチで回す必要がある。暗闇で照らしながら苦労して穴をあわせたが、レンチがない。万事休すかと思われたが、持ち合わせていたマイナスドライバーでなんとか回すことができた。たしか前回も同じ騒動をした記憶が・・・。

 そしてトドメは電源ケーブル。最近あまり使わない企画のミニUSBで、EOS600DaとPCを繋ぐのに使っているが、他に持ち合わせがなかった。PCからのカメラコントロールを諦めるか、ポラリエを諦めるか。結局は極望の照明に使っている単3電池2本を流用したので、極軸を確認するたびに、電池をあっちに移し、こっちに移しと慌ただしかった。

 それでもなんとか02:00頃にはテスト撮影。構図と露出を最終調整したあとに、BackyardEOSで撮影スケジュールを組みたて、02:16から露出開始した。

<撮影データ>
〈ポラリエ追尾撮影〉2020年5月21日02:16:26〜,EOS600Da(ISO1600,30sec,LPS-P2フィルター),TokinaAT-X11-20(11mm,f2.8)20枚コンポジット
〈静止撮影〉02:30:20〜,EOS600Da(ISO200,473sec,LPS-P2フィルター),TokinaAT-X11-20(11mm,f5.6)

 

 撮影結果は上首尾。追尾撮影と固定撮影の間にもうすこしギャップがあればとも思ったが、贅沢はいうまい。固定撮影では天の川はうっすらとしか写らなかったので、比較明合成では好都合なことに追尾撮影の天の川の印象が強くなった。H-IIBの航跡は、第1段の燃焼終了までカバーしている。

 近景のシルエットから、諫早湾の向こうに雲仙。H-IIBは上昇してから水平飛行に移行しているが、地球の丸みのために航跡の左側が下がっているように見える。その向こうに、火星と木星。背景は近くの恒星たちで、それが遠くになるともやもやとかたまって天の川になる。立体感を想像したらなんとも楽しくなってきた。その一方では、火星も木星もすっかり観測シーズンに入っているというのに、何も準備していないことが意識され、すこし焦りがでてきたところだ。

直焦をぼちぼちと・・・

  • 2020.05.24 Sunday
  • 19:49

 新調したバッテリーは一晩もたないまでも、夜明けが早いいまの季節なら、半夜ほどはもってくれるだろうと、ぼちぼち直焦撮影をしている。

 この日は24:50の月出までの短時間勝負。だというのに現地到着は21:10にずれこみ、極軸を合わせたのは21:30頃。ところがここから、導入がうまく行かなかったり、ガイドのキャリブレーションが変だったり。電源リセットしてもうまくいかず、ふと顔をあげたら極軸が変な方を向いていた。ようやく立ち直ってみたら、そろそろ23:30。M83はだいぶ西にまわって、市街光の影響を受け始めていた。

 <撮影データ::2020年5月13日23:30:14〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却,ISO3200,180sec,16コマをコンポジット),AstroLPR2フィルター,RAP2,PhotoshopCS6>

 とりあえずISO3200の3分露光で撮影し、ガイドはすこし流れぎみだったがまあまあ。急いでフラットを撮影し終わったところで月がのぼってきたので、ダークを撮影して撤収した。

 処理してみると、これも前回同様のザラザラ画像。ダーク、フラットは8枚ずつなので、減算で荒れているものと思われる。簡易冷却していても、外気温13℃に対してセンサー温は18℃あたり。思ったほど冷えない=ノイズもあまり変わらない、というのがこの簡易冷却が廃れてしまった原因だろう。毎年、8月後半頃に画像が荒れて仕方が無いので、その時期にどこまで効果があるのか確かめてみようと思う。

 M83の撮影は4年ぶり。前回は枚数も少なく露出も不足していたので、画像の出来は今回のほうがはるかに良い。蛍光灯・水銀灯の緑カブリがとれなかったので、フォトショップで全体を少し青に振ってちょうど良くなった。ただ、前述の原因で荒れているので、そろそろISO3200,3分x16枚というのはやめて、ISO1600,5分x16枚にしてみようかと思っている。その場合、ライトフレームはもちろんのこと、ダークもフラットも時間がかかるようになるのが困りものだ。

リチウム電源は初戦敗退か・・・?

  • 2020.04.20 Monday
  • 18:30

 ようやく4月の新月期。予報はいまひとつだったが、リン酸鉄リチウム電源のテストのために、小長井のいつもの場所に出撃した。

 現地到着は22:00頃で、さっそく設営開始。シガーライターソケットが1個しかないので、新しく3連ソケットを準備して、赤道儀とPC,カメラの電源をすべてまとめた。カメラの簡易冷却はUSBなので、電源のUSB端子から直接つないでいる。

 3月はムスコの進学に伴う引っ越しで天文装備を車からおろしていたので、出撃はまるまる2ヶ月ぶり。細かいPCの設定手順などあれこれ手間取って、撮影開始まで2時間近くかかってしまった。本来は分裂したばかりのC/2019Y4アトラス彗星と、その近くにいるC/2017T2パンスターズ彗星を狙うつもりだったが、手間取っているうちに北極星より低くなってしまった。そのためか、ガイドが流れまくってどうしてもうまくいかない。仕方ないので彗星は諦めて、南中(北中?)しかかっているM101を狙うことにした。

<撮影データ:2020年4月19日00:54:15〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却,ISO3200,180sec,16コマをコンポジット),HEUIB-IIフィルター,RAP2,PhotoshopCS6>

 出撃前に大急ぎで調整したので、光軸は微妙に芯を外している。そのためか原盤ではすこし像が眠い。ライトフレームはときおり襲来する雲を避けながら16枚確保できたが、雲が出ている間に撮影したフラットフレームは7枚、ダークフレームは8枚しか撮っていないので、背景が荒れてしまう。荒れないぎりぎりまで暗部をもちあげ、Nik Collectionでディティールを強調すると、北側の淡い腕が浮き出してきた。

 ところで、今回初陣だったリン酸鉄リチウム電源、240Whではやはり容量不足で、22:00頃から電源投入して、03:30頃にはセグメントが1/5になっていた。半夜未満の撮影でこれだから、とてもじゃないけどひと晩はもたない。同じリン酸鉄リチウムで、444Wh(12Vで37Ah)の製品を熱帯雨林でみつけたので、それが気になるところだ。組み合わせれば、半夜は444Whで、終夜なら240Whと組み合わせて使うとなんとかなるかもしれない。しかし現在はコロナ禍のために緊縮財政。しばらくは今の電源で耐えるしかなさそうだ。今回は外気温8℃、センサー温13℃で安定していたが、真夏ではないし、簡易冷却をやめればなんとかなるかもしれない。

赤道儀復活!・・・しかし今度は・・・

  • 2020.03.27 Friday
  • 21:47

 1月に修理に出していた赤道儀が出来上がり、2月新月期にようやく晴れたので、久しぶりに小長井に出撃した。夜半には冬の星座は西に傾いていたが、今期撮影できなかった冬の名残を追いかけてみる。最近は小長井でも西側は市街光の影響があり、淡い対称でもあったので、UHC-Eフィルターを使用した。

 <撮影データ:2029年2月20日23:13:54〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却,ISO3200,300sec,19コマをコンポジット),UHC-Eフィルター,RAP2,PhotoshopCS6

 ISO3200,5分露出19枚コンポジットだが、ダークもフラットも8枚しか撮れず、おまけにダーク撮影時には手違いで冷却がとまっていたので、処理過程でかえって背景が荒れてしまったかもしれない。

 この2日後にもケンタウルスAを撮影したのだが、PCがクラッシュしたためか、フラット減算ができなくなってしまった。かわりにフラットエイドを使おうとしたが、こちらも駄目。Macのほうはストレージが満杯に近く、Winの起動すらできない。他にも主電源にしている36Ahのディープサイクル・ドライバッテリーが劣化してしまって、夜半から明け方までも保たなくなってしまった。バッテリーはこの6年で2個目、1個あたり約3年の寿命だ。車のバッテリーと同じデサルフェーターを付けていたのだが、車のバッテリーも5年目車検で交換になってしまったので、どうやらデサルフェーターの性能も不十分だったようだ。きちんとしたデサルフェーターを買うとなれば、すこし背伸びすればリチウム電源に手が届く。いっそ、リチウムにして腰の負担を減らそうかとも思っている。

赤道儀、御乱心!?

  • 2019.11.02 Saturday
  • 22:00

 度重なる台風絡みの悪天候もようやく落ち着いたので、しばらく放置していた直焦撮影機材を持ち出したところが、トラブルの波状攻撃に遭った。

 まずはR-130SS(R-140SS改II)の光軸。斜鏡が回転したせいか、星像が長く延びてしまう現象に見舞われ、1回目の出撃は成果無し。おまけにPHD2のガイドも不安定で、星像が延びたのが追尾不良か光軸不良か判らないという有様だった。そこで、光軸を入念に合わせてリベンジした。

 下弦の月だったので、設営した頃に月出。月がのぼってくるまでの間にカリフォルニア星雲を狙ってみた。PHD2のガイドアシスタンス機能を使ってパラメーターをセット、ガイドグラフは暴れるが、なんとか安定して星が点になった。冷やしEOSも起動してみたら、冷やすというより温度上昇をおさえる程度にしかならなかった。

 データを処理してみると、18枚コンポジットなのにざらざらどうやらESO1600,3分という半端なパラメーターがいけなかったようで、ISOのせいでノイズが多いのに、暗部を持ち上げないと画にならない。3分ならISO3200にするか、ISO1600なら露出を5分にするかしないといけないようだ。

 月が高くなってきたので、子午線をはさんで西側に向けたら、PHD2のキャリブレーションがなかなかうまくいかず、なんとか動いてもガイドが流れまくりになってしまった。

 キャリブレーションがうまくいかないのは、赤経モーターを動かすと、動き始めに何故か南北方向におおきく動いてしまうという謎の症状が出たからだった。ハンドセットで動かしても、ASCOM経由で動かしても、まったく同じ症状なので、コネクターの問題ではなく基板かギアだろうと見当をつけて、昼間に組み立ててみたところ、赤経クランプを固定していても、赤緯体がぐらぐらと動くことがわかった。

 調べてみると、どうやら赤緯体と極軸の固定部が緩んでいるようだ。固定にはイモネジ3本が使われているのみで、ここが弱点になっているらしい。そこでコントロールパネルを外してみた。画像の右側が極軸ハウジング、上側が鏡筒取り付け部で、赤緯体の中の右側壁に見得ている黒いのが極軸望遠鏡である。イモネジは壁の向こう側にあり、ハウジングから極軸を抜かないといけないらしい。抜いたら抜いたで極軸望遠鏡の調整も必要になる、というわけで、自力での修理は諦めた。

 このまま組み立てて一件落着・・・のはずが、あやまってビスを赤緯体の中に落としてしまい、モーターと平ギヤも外す羽目に。なんとか組み立てたものの、その後のテストではギヤの当たりが前より悪くなっていて、子午線東側に向けていてもガイドが安定しなくなってしまった。どちらにしても調整に出さないといけない状態で、極軸固定の強化のためにはメーカー送りになりそう。年内の直焦撮影は絶望的である。

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