今年の火星は光軸で苦戦。

  • 2020.10.24 Saturday
  • 18:07

撮影データ:2020年9月27日23:24:41〜23:35:02,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,DBK21Au618As,1/60sec,30fps,2000フレームコンポジット

撮影データ:2020年10月1日00:30:20〜00:42:20,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,DBK21Au618As,1/45sec,30fps,10800フレームコンポジット

撮影データ:2020年10月13日23:58:22〜24:08:29,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,DBK21Au618As,1/45sec,30fps,6000フレームコンポジット

 

 盆に火星を撮影したときは、光軸はしっかり合っていたように思う。ところがその翌週に撮影しようとしたところ、光軸不良で像が2重になっていて没。そのあと、まさかこんなに光軸で苦戦するとは思わなかった。きれいに合うときには、接眼部を回転させてもレーザーコリメーターの光点はぴたりと止まるのだが、センタリングアイピースでは合っているように見えても、光点のぶれが止まらない。ためしに覗いてみると、像はしっかり乱れている。それらのうちから、なんとか使えそうな像を選んでみた。それでも25cm本来の解像力には遠く及ばない。今期の火星は大黄雲の発生もなく、模様がくっきりと見えているだけに残念だ。

 そして星に関する不満がたまると、物欲大佐が蠢き出す。DBK21は良いカメラだが640x480では今の御時世、どうも見劣りがする。特にADCを導入してからというもの、拡大系がテレセントリックのバーローになったので、じゅうぶん拡大できない状態である。かといって、最近の高精細CMOSカメラは少々高価で・・・といってるうちに、現在主流のZWO ASI290MCと同じ裏面照射CMOSを採用したSV305というカメラがSvBonyから出ているのが大佐の目にとまった。作例を検索してみると、すこし赤みが強いような気もするが・・・そこはなんとかなるかも・・・何と言っても安価だし・・・でも色で苦労しそう・・・と逡巡していると、SvBonyとサイトロンがコラボした、SV305SJというのがあると発覚。1.25"アダプターやUV-IRカットフィルターまでセットで、あとは撮るだけというお手軽セット。大佐がおもわず撃墜してしまった。

 あとから確認すると、撃墜したのはまさに発売当日。そして秋のスターパーティーの朝に着弾した。これはさっそくファーストライト・・・と思ったが、またもや光軸が合わない。夕方から苦闘して、なんとかほぼ合ったかもというところで、夜半前に白木峰へ。すると到着早々曇ってしまった。なんでも宵のうちは気流も落ち着いていて、入れ違いで撤収された嬉野Kさんはすばらいし画像を撮影されていたのだが・・・

 ちょうど居合わせたYさんに、ひさしぶりに光軸を見ていただくことになり、斜鏡の向きはほぼ良いけど、主鏡がまだということで、雲間からシリウスを使ってほぼ合うところまでいった。ところが火星は雲隠れ。仕方ないのでファーストライトはライブスタックで、ということになってオリオン大星雲の中心部を狙ってみた。

 これは2秒露出の10フレームコンポジット。露出をもうすこし伸ばせば、惑星状星雲や明るい系外銀河なども面白そうだ。久しぶりに光軸も合っているし・・・と思ったところが、数日後にはまたずれていた。おかげでまだまともな火星は撮れていない。SV305のカラーバランスは、初代のNexImageにも通じる神経質さがあり、きれいに決まると良い色が出そうだが、微妙な調節が必要な様子だ。これは想定内ではあるが、光軸にここまで苦労するとは思わなかった。そろそろ火星の視直径も20"を切りそうだし、なんとか大きく見えているうちにまともな画像を撮りたいものだ。

惑星撮影リハビリ。

  • 2020.08.27 Thursday
  • 19:34

 今年もうかうかしているうちに、木星と土星は衝を過ぎてシーズン後半戦に突入している。今年は木星を一度撮影しただけで、しかもピントが出ていないので成果なしだった。そこで、8月13日の夜に惑星装備をもって急遽出撃した。まずは近場の白木峰に行ったところが、流星群目当ての人々で大混雑。いつもの小長井に転戦したが、雲に覆われていて、そのまま帰ってきた。盆休み最終晩の15日夜にリベンジをはかり、小長井に行こうとしたが、暑さがとれないので苦行になりそうな予感。急遽行き先を変更して、雲仙の宝原に向かった。

 宝原は標高は700m超えで、多良山系では修多羅のしゃくなげ高原くらいの高さになる。以前から気になっていて、良いところだという噂が昨年あたりからきこえていた。今年のGWに行ってみたところが、まさかのコロナ肺炎緊急事態宣言による閉鎖で、今回が初めてになる。盆なので誰もいないだろうと思いながら現地到着してみたら、ten.さんと船長っさんがすでに展開済み。奥の展望台には島原Uさんが。気温は23℃で快適。皆考えることは同じということだろう。

 空はここ数日、西之島からのガスが減って透明度抜群の快晴。せっかくだから直焦にしようかとも思ったが、初志貫徹で惑星装備を出した。まずは西に傾いてきた木星を狙い、首尾良く大赤斑が見える位相を撮れた・・・と思ったが、あとで処理したらピントがだめで没。そのあとに火星を撮影したのがコレ。

 <撮影データ:2020年8月16日01:16:33〜01:25:15に撮影した動画から5144フレームコンポジット、ウェーブレット・最大エントロピー処理、ORION25cmF4.8反射、TeleVue5xバーロー、ZWO ADC使用、DBK21Au618As、1/25sec、25fps

 WinJuposを使ったデローテートがうまくいかず、レジスタックス6のデローテートを使って、なんとか5144フレームをコンポジットした。たしかWinJuposより精度が落ちるとかだったはずだが、これだけ写れば良しとしよう。キムメリア人の海が夕方にあり、東縁に大シルチスが現れてきたところ。キムメリア人の海から垂れ下がったメデューサの涙は、以前は大接近の頃にしか撮れなかったが、これだけスタッキングすると視直径がそこそこ小さくてもしっかり描出できる。南極冠の右側が分離しているのもなんとかわかる。

 これから10月の準大接近にむけて視直径がどんどん大きくなってくるが、台風シーズンになるとシーイングは悪くなる。また、現在工作中の惑星用ニュートンの作業がすすむと、いったんこの25cmを解体しなければならなくなる。本来なら梅雨明けまでにVISACを復活させておく予定だったが、レーザーコリメーターの誤発注のために手順が狂ってしまい、実に悩める状態になってしまった。惑星用ニュートンは、鏡筒回転装置までは勢いで組み上げたけれど、トラスを組む段になって、トップリングの構想が煮詰まらないせいもあって、作業が滞っている。仮に順調に完成しても、細部の調整にはだいぶかかるだろうし、25cmは火星シーズンがおわるまでこのまま使ったほうが良いかもしれない。

一期一会の彗星。

  • 2020.08.01 Saturday
  • 02:11

 7月3日に近日点を通過したネオワイズ彗星が、その数日後から明け方の超低空に姿を現した。1.2等という、北半球ではヘール・ボップ以来の明るさで、ネット上ではすばらしい画像が次々と出てきた。しかし、7月に入ってからというもの、地元北部九州は梅雨前線が停滞していて全く晴れない。そのうち明け方の条件は悪くなり、夕方の北西超低空に見えるようになってきた。

 ようやく晴れ間が見えそうな7月16日、午後休診だったので明るいうちから出撃して、北西が開けた吾妻町の牧場の里に向かった。ところが現地は南側の断層崖に南風が入ってできた低い雲に覆われ、急遽ふもとに場所を移したが、多良山系から雲が流れてきて全く見えなかった。翌早朝にも近所の田圃の真ん中に出撃したが、これも低空に雲が居座っていてアウト。18日には少しでも西にと思い飯盛町に出撃したが、これも雲で沈没。連戦連敗で、蚊に刺された痕だけが増えていった。

 翌19日、休日当番ではあったが、望外に時間通りに終わることができたので、急遽出撃することにした。16日には伊木力のほうから見えたとのことだったので、そこまで行けば太良山系からの雲も避けることができそうだ。というわけで、北西が開けていた覚えがある琴ノ尾岳の山頂駐車場に向かった。しかし、現地についてみると、前回きてからほぼ20年、まわりの樹が成長していて低空はすっかり駄目。おまけに南からの風で山頂は雲をかぶっている。すでに日没は過ぎていたので、近場で見るしかない。大草まで戻って、伊木力方面にすこし入ったところで設営することにした。

 とりあえず、北西方向は晴れ。28mmレンズの固定撮影で彗星像を探しながら、ポラリエに100mmF2.8を載せる。まだ明るい写野に彗星像を確認して、北極星が見えてきたところでポラリエの極軸をセット。試写してみたが、10秒露出でも流れてしまう。何度も極軸を微調整するが、うまくいかない。その間にも固定撮影は続けていた。

 <撮影データ:2020年7月19日21:14:33〜,Voigtlander COLOR-SCOPAR28mmf2.8(28mmF2.8),EOS80D(ISO800,15secx23コマ恒星基準合成)

 23コマを恒星基準でコンポジットしたら、すこし強い画像処理も受け付けるようになった。細く青いイオンテールと、扇形に拡がったダストテールの組み合わせは、ヘール・ボップ彗星を彷彿とさせる。8x40双眼鏡でも、明るく輝く頭部から、視野一杯に尾が延びていて、とても印象的だった。

 <撮影データ:2020年7月19日21:28:40〜,EOS600Da(ISO1600,15sec,HEUIB-IIフィルター),EF100mmF2.8USM(100mm,f2.8),9枚コンポジット

 しかし、ポラリエのほうは星が停まらない。10秒はおろか、5秒でも流れてしまう。何度か極軸望遠鏡を覗いているときに、電源が切れているのに気付いた。あわてて電源を入れると、星はきれいな点像になった。10秒露出でしばらく撮影していて、薄明がおわったのだから露出を伸ばせるはずと気付いて15秒に。それからカメラの向きを南北にあわせようと思い出して構図を決めたところで、彗星は低空の雲に隠されはじめた。雲がかかっていないコマを選び出してコンポジットしたのがこの画像だ。

 それからは、だんだん雲に隠される時間が長くなってきた彗星を、しばらく双眼鏡で見送ってから撤収した。翌週の平日は彗星どころではなく、連休はまた雨続きで、いろいろと用事もあって、28日にみたときは、モヤのせいもありすっかり暗くなってしまっていた。彗星との遭遇は、まさに一期一会。たったひと晩ではあったが、梅雨時にもかかわらず、大彗星の片鱗をしっかり見ることができて幸運だったと思う。

H-IIB最終号機を見送る。

  • 2020.05.24 Sunday
  • 19:53

 水曜深夜というか、木曜未明というか、H-IIB最終号機が02:31に打ち上げられた。ちょうどコロナ禍対応で、木曜を休診にしていたので、これは見逃すわけにはいかない。AstroGPVでは曇りの予報だったが、夕方の時点で快晴だったので出撃することにした。

 場所は小長井のいつもの場所、前2回もここで撮影したので、雲仙をまたぐように飛んでいく航跡の見当をつけやすい。今回は夏の天の川を背景に打ち上がるので、なんとか天の川と航跡を両立させたかった。FBであれこれ相談して、嬉野Kさんから追尾+固定ではどうかとヒントをいただいたので、ポラリエを持ち出して実行することにした。

 現地には余裕をもって到着したのだが、そこからが一筋縄ではいかなかった。

 まずは極軸調整用の微動架台(K-AstecのXY50)にポラリエを固定するためのネジが見つからない。やっと見つかったかと思えば、こんどはうまく嵌まらない。六角レンチを探し出して、XY50をいったん分解してようやく組みたてることができた。

 次はポラリエ本体。ドイツ式の赤緯体を固定しているネジが緩んでいる。これは赤緯体の外枠と内枠の穴を合わせて、その奥に見えるネジを六角レンチで回す必要がある。暗闇で照らしながら苦労して穴をあわせたが、レンチがない。万事休すかと思われたが、持ち合わせていたマイナスドライバーでなんとか回すことができた。たしか前回も同じ騒動をした記憶が・・・。

 そしてトドメは電源ケーブル。最近あまり使わない企画のミニUSBで、EOS600DaとPCを繋ぐのに使っているが、他に持ち合わせがなかった。PCからのカメラコントロールを諦めるか、ポラリエを諦めるか。結局は極望の照明に使っている単3電池2本を流用したので、極軸を確認するたびに、電池をあっちに移し、こっちに移しと慌ただしかった。

 それでもなんとか02:00頃にはテスト撮影。構図と露出を最終調整したあとに、BackyardEOSで撮影スケジュールを組みたて、02:16から露出開始した。

<撮影データ>
〈ポラリエ追尾撮影〉2020年5月21日02:16:26〜,EOS600Da(ISO1600,30sec,LPS-P2フィルター),TokinaAT-X11-20(11mm,f2.8)20枚コンポジット
〈静止撮影〉02:30:20〜,EOS600Da(ISO200,473sec,LPS-P2フィルター),TokinaAT-X11-20(11mm,f5.6)

 

 撮影結果は上首尾。追尾撮影と固定撮影の間にもうすこしギャップがあればとも思ったが、贅沢はいうまい。固定撮影では天の川はうっすらとしか写らなかったので、比較明合成では好都合なことに追尾撮影の天の川の印象が強くなった。H-IIBの航跡は、第1段の燃焼終了までカバーしている。

 近景のシルエットから、諫早湾の向こうに雲仙。H-IIBは上昇してから水平飛行に移行しているが、地球の丸みのために航跡の左側が下がっているように見える。その向こうに、火星と木星。背景は近くの恒星たちで、それが遠くになるともやもやとかたまって天の川になる。立体感を想像したらなんとも楽しくなってきた。その一方では、火星も木星もすっかり観測シーズンに入っているというのに、何も準備していないことが意識され、すこし焦りがでてきたところだ。

直焦をぼちぼちと・・・

  • 2020.05.24 Sunday
  • 19:49

 新調したバッテリーは一晩もたないまでも、夜明けが早いいまの季節なら、半夜ほどはもってくれるだろうと、ぼちぼち直焦撮影をしている。

 この日は24:50の月出までの短時間勝負。だというのに現地到着は21:10にずれこみ、極軸を合わせたのは21:30頃。ところがここから、導入がうまく行かなかったり、ガイドのキャリブレーションが変だったり。電源リセットしてもうまくいかず、ふと顔をあげたら極軸が変な方を向いていた。ようやく立ち直ってみたら、そろそろ23:30。M83はだいぶ西にまわって、市街光の影響を受け始めていた。

 <撮影データ::2020年5月13日23:30:14〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却,ISO3200,180sec,16コマをコンポジット),AstroLPR2フィルター,RAP2,PhotoshopCS6>

 とりあえずISO3200の3分露光で撮影し、ガイドはすこし流れぎみだったがまあまあ。急いでフラットを撮影し終わったところで月がのぼってきたので、ダークを撮影して撤収した。

 処理してみると、これも前回同様のザラザラ画像。ダーク、フラットは8枚ずつなので、減算で荒れているものと思われる。簡易冷却していても、外気温13℃に対してセンサー温は18℃あたり。思ったほど冷えない=ノイズもあまり変わらない、というのがこの簡易冷却が廃れてしまった原因だろう。毎年、8月後半頃に画像が荒れて仕方が無いので、その時期にどこまで効果があるのか確かめてみようと思う。

 M83の撮影は4年ぶり。前回は枚数も少なく露出も不足していたので、画像の出来は今回のほうがはるかに良い。蛍光灯・水銀灯の緑カブリがとれなかったので、フォトショップで全体を少し青に振ってちょうど良くなった。ただ、前述の原因で荒れているので、そろそろISO3200,3分x16枚というのはやめて、ISO1600,5分x16枚にしてみようかと思っている。その場合、ライトフレームはもちろんのこと、ダークもフラットも時間がかかるようになるのが困りものだ。

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