明るくなってきた46Pウィルタネン彗星

  • 2018.12.01 Saturday
  • 19:39

 11月23日は、藤原道長が『この世をば・・・』と詠んでから、ちょうど1000年目の満月。月蝕のとき以外は普段は邪険に扱っている満月ではあるが、今回は特別とばかり撮影してみた。

 とはいえ、略式の撮影なので、50-500zoomの望遠端、F6.3でISO1600。それでも1/4000secで切れるし、手ぶれ補正もあるしで無精して手持ち撮影にした。この月、実は真の満月は14:39だったので、わずかながら欠けはじめている。FBで友人から何か詠めといわれたのだが、浮かんできたのは『ちとせ経て すこし欠けたる 望月夜』、ああ、こりゃ川柳だ。

 満月を1週間ほどすぎて、月出が遅くなってきた頃。木曜の夜に快晴になるからと、思い切って小長井のいつもの場所に進出。月が昇る11:30頃までの勝負だ。出発は20:00頃で、現地到着は22:25。それから機材を組み挙げて、試写にかかったのがちょうど21:00頃だった。

 <撮影データ:2018年11月29日21:39:06〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,16コマをコンポジット),AstroLPR Type-1,トリミング>

 モヤがあって全体に眠い星空だったが、スタパー以来のウィルタネン彗星はかなり大きく育っていた。ただ、もとが小粒の彗星が地球に接近しているだけなので、撮って出しの画像では核は確認できない。画像処理すると核らしく見えているが、20xの眼視でも中央集光は弱く、核を確認することはできなかった。

 この彗星、一部では、拡散して見えるのでそれほど明るくならないのではないかという予想も出ているが、どうだろう。これで立派な尾が出てくれればいいのだが、位置的にも衝に近く、この画像でも左上に短い尾があるかどうかといったところ。あまり期待できそうにはない。かつての百武彗星みたいに、ちょうど良いところでパリッと割れてくれれば嬉しいのだけれど・・・。

秋のスタパーの夜。

  • 2018.11.21 Wednesday
  • 21:30

 11月の新月期、最初の週末は雲仙を歩いた疲れもあり出撃し損ねて、不完全燃焼になっていた。次の週末はスターパーティー。25cmを持ち込んで観望に徹するか、それともR-130SSを持ち出して撮影するか迷っていたが、結局は撮影に決定。終夜快晴で、とくに夜半過ぎてからは冬の天の川がくっきり見えるほどの透明度になったので、ずらりと居並ぶNinja-400を覗くのも忘れて撮影に没頭してしまった。

 <2018年11月10日23:08:38〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,15コマコンポジット),AstroLPR Type-1,トリミング>

 まずは12月に明るくなると予想されている、46Pウィルタネン彗星。まだ南天低く、10月に撮影したときはしょぼくてひとコマで没にしたが、今回は明るいコマが大きく発達していた。このとき6.6等。11時方向には細いイオンテールが伸びていて、今後見事な姿になるのではと期待が高まる。

 <2018年11月11日00:39:15〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,300sec,180sec,120sec,60sec,30sec,15sec,10sec,5sec,2.5sec,1sec各4コマずつコンポジット),AstroLPR Type-1,トリミング>

 次はオリオン大星雲を段階露出で狙ってみた。ISO3200で5分から1秒までの10段階各4枚ずつ。Photoshopで位置合わせをして、StellaImageの加算コンポジットで合成、もういちどPhotoshopに戻って輝度マスクでトーンを、チャンネル減算マスクで色合いを調整。背景の分子雲を捉えることができたのは想定外のことだったが、5分露出の枚数が少ないので分子雲のトーンが荒れてしまった。また、分子雲を出すと星雲本体の階調が詰まって細部が潰れたので、星雲中心部のトラペジウムが飛ばない程度にNikCollectionのSilverEffexですこし強調している。今度チャレンジするときは、背景の露出枚数をもっと増やす必要がありそうだ。

 <撮影データ:2018年11月11日02:17:45〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,32コマをコンポジット),AstroLPR Type-1,トリミング>

 それから、おおいぬ座のかもめ星雲に巡回。淡いうえに赤緯が低いので、意外と難物。16枚撮り終えたところで確認すると、ピントが甘い気がしたので、ピントを合わせなおしてもう1セット。あとで確認したら前半の16枚も使えたので、怒濤の32コマコンポジットになった。オリオン大星雲と同じく、Photoshopで輝度マスクとチャンネル減算マスクを使っている。星雲の淡い部分を持ち上げるとき、星マスクを使うと星の周囲に黒い縁取りを残してしまうが、輝度マスクだと自然な雰囲気ににじんでくれる。それに偶然だろうが、レデューサーコレクターの色収差が微妙に残っているようで、輝星周囲の光芒がカラフルになった。また、チャンネル減算マスクは対象色を持ち上げても星雲のトーンが潰れることがないので、赤と青の強調に重宝している。

 <2018年11月11日04:24:24〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,8コマをコンポジット),AstroLPR Type-1,トリミング>

 そして夜明けも近づいてきたころ、ふたご座にいる38Pステファン=オテルマ彗星を狙ってみた。このとき9.3等と小粒ではあったが、西に尾を伸ばしていて、しっかり彗星らしい姿をみせている。撮影後は用事があったので早めに撤収したのだが、このときマックホルツ=藤川=岩本彗星を撮り忘れていたのにはあとで気付いた。

 ところで、今回のスタパーには個人的後日談がある。放置撮影中にGM5を持ってうろついていたら、星景の達人の方からあるレンズを勧められた。F3.8の対角魚眼で、なんでも7000円台と格安。オリンパスのボディキャップ魚眼より安いというすばらしさ。熱帯雨林で検索したら出てくるというのでその場で検索、「ほしいものリスト」に加えようとして、いやこれならとポチってしまい、大爆笑。翌週火曜には届いたのだった。さっそく星景に投入して好感触を得ているので、そのうちにこのBLOGにも画像を上げることになるだろう。

コスモス&コスモス2018

  • 2018.11.21 Wednesday
  • 20:35

 しばらく前のことになるが、今年もコスモスの開花にあわせて白木峰で星景を撮ってみた。

今年は夏の日照りのためか、けっこう花の密度にばらつきがあったので、昼間のうちにロケハンをしておいて、よさそうなアングルをいくつか決めていた。

 <2018年10月18日21:44〜,AT-X1120(11mmF2.8),EOS80D(ISO800,30sec,60コマ比較明合成)>

 月齢は半月。西に傾きかけた月がコスモスを照らしている。稜線の向こうでときどき雷光をきらめかせながら雲が通り過ぎていくが、幸いこちらにはこないようだ。これまでこうした星景はJPEGで記録していたのだが、今回はRAWで記録したものをSilkyPixでいじってみたら、よい色合いになった。

 <2018年10月18日22:17〜,AT-X1120(11mmF2.8),EOS80D(ISO800,30sec,20コマ比較明合成)>

 葉を落とした桜の梢を入れて。冬の星座が東からあがってきた。右手前の花の密度が低いのでいまいち。平日の夜で、ときおり来訪者はあるが、撮影者は他に居ないので漏洩光にも気を遣わなくてすむのがありがたい。ただ、ぽつんと独りなので退屈しのぎにケーナを吹いていた。

 <2018年10月18日22:34〜,AT-X1120(11mmF2.8),EOS80D(ISO800,30sec,30コマ比較明合成)>

 北へ向かう小径。ロープがなければもっと良いだろうが、まあ仕方ないことだろう。道の面積がすこし広すぎるかと。平日なのであまり遅くなるわけにもいかず、雲が増えてきたこともあり、ここで撮影を切り上げた。結局は最初のカットがいちばん満足いくものだった。このあと小江のコスモスも朝霧狙いで何度か行ってみたが、今年は残念ながら朝霧にあうことはできなかった。また来年の宿題にしよう。

プチ物欲と成果。

  • 2018.10.16 Tuesday
  • 23:16

 仮装武器市場を何となく巡回していて、ふとあるフィルターが物欲大佐のアンテナに引っかかった。OPTLONGのUHC-Eというもので、残り7時間というのに猛烈に安い。調べてみると、現在使用中のAstroLPR Type-1に似た性質だが、緑と青の透過域をかなり絞ってあることがわかった。

すこし荒いが、透過曲線を重ねてみた。黒がAstroLPR Type-1、青がUHC-Eである。Hαを含む赤色域ではほぼ同じ特性だが、緑はOIIIにあわせて、また青もかなり鋭く絞っていて、AstroLPR Type-1と比べると彗星の描写は劣るかもしれないが、気になる青被りをだいぶ軽減できるのではないかと思われた。物欲大佐はさっそく参戦して、首尾良く格安で撃墜。これが土曜の昼に着弾したので、そのまま装備して、夜に小長井のいつもの場所に進出した。

 当初は水瓶座のらせん星雲を狙おうと思ったが、南のほうから断続的に雲が広がってきて、どうも良くない。そこで北西のはくちょう座に転進して、網状星雲を撮ることにした。まずは東のNGC6992。今度は北からも雲が流れてきて、ぎりぎりで写野にかかるかどうか、きわどい状態。5コマ撮ったところで暴走し、なんとかおさめて16コマ追加することができた。

 <撮影データ:2018年10月13日22:28:14〜,R-140SS改IIb(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,16コマコンポジット,OPTOLONG UHC-E

 これがフィルターの効果だろうか、PCのモニター上でもやたらと色彩が豊かだった。処理してみるとこんな感じ。赤と青のフィラメントが繊細に絡み合って、すこしいじるだけで満足できる仕上がりになった。

 <撮影データ:2018年10月13日23:46:22〜,R-140SS改IIb(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,10コマコンポジット,OPTOLONG UHC-E

 次は西半分、NGC6960。はくちょう座52番星に重なって面白いが、形そのものは東半分のNGC6992のほうが面白い。ところが、モニターの隅にガスの塊が見えたので、急遽構図を変更して撮影。まちがいなく北西側にも星雲がある。これまでは写野が狭かったり、カメラの性能が低かったりしてまったく意識していなかった、NGC6979だった。処理するときに赤を強調してみると、そこから南にむけて、フィラメントや淡いガスがひろがっているのが浮かび上がってきた。この画像では、左上の隅に円弧状のゴーストが出ている。たぶん52番星が光源だろうが、なんとかならないものだろうか。

 AstroGPSでは26時前頃から曇る予報になっていたので、残り時間はわずか。スカイフラットは曇ってから撮れば良いので、もう1対象いけそうだ。らせん星雲は市街光の中に沈んでいたので、ちょうど南中過ぎのNGC253に決めて、すでに市街光の影響を受け始めていたので、フィルターもそのままで撮影した。

 <撮影データ:2018年10月14日00:58:37〜,R-140SS改IIb(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,15コマコンポジット,OPTOLONG UHC-E

 この銀河は大きいので短焦点でも様になる。いつか撮ってみたいと思いながらも低空のためなかなか撮れずにいた対象だ。色調はまだ改善の余地あるが、いちおう中心部と腕の色の差も見えるし、この焦点距離ではこんなものだろう。そのうちオライオン25cmで狙ってみたいものだが、そのためにはオフアキなんかも調達しないといけなさそうで、また風の影響も受けるだろうし、どうしたものか考え込んでしまう。

 今回の新月期の画像は、これでおしまい。ここですこし気になったので、網状星雲の東西をつないでみた。

 それぞれコンポジット枚数も処理も異なり、おまけに構図も縦横ばらばらだが、つないでみたらこんな感じになった。こうしてみると、この鏡筒の歪曲収差はそれほど影響無さそうだ。もう季節が遅いので今年は無理だが、来年は計画して網状星雲の全体像をモザイクにしてみようかと思う。

新月連休は星三昧。

  • 2018.10.14 Sunday
  • 15:31

 新月期の週末、しかも連休に晴れたので、連日の出撃となった。

 まずは日曜夜、翌日も休日だったので、思い切って小長井へ。事前のテストで片方の隅の星像が肥大していたので、微調整しようとしたのだが、主鏡をいじってから光軸修正用具を置いてきたのにきづき、万事休す。それでも星像の大崩れはなさそうだったので、あれこれ撮影してみた。

 <撮影データ:2018年10月08日03:33:26〜,R-140SS改IIb(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,8コマコンポジット,HEUIB-II)

 写野がすこし広くなったおかげで、カリフォルニア星雲も余裕で収まる。北側の分子雲を南側の輝星が吹き払いつつあるところで、ちょうど凹凸がある天井を、反逆光で見ていると考えると立体構造が掴みやすい。そして、じっと見ていると、なんだかアオリイカみたいに見えてきた。中央上の黒点が目玉、右に胴体があり、左に脚をのばしている。そういえば、だいぶ長いこと美味しい烏賊を食べていないことを思い出した。

 <撮影データ:2018年10月08日04:09:42〜,R-140SS改IIb(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,6コマコンポジット,HEUIB-II)

 そして日曜夜(月曜明け方)のおわりはM45。こちらもちょうど良い収まり具合になったが、左下には数珠状ゴーストがあり、そして目立たないながらも、アルキオネの両脇など補正板ゴーストが星雲に入り交じっている。これは補正板を傾ければ済むことだが、再現性が乏しいので放置している。

 <撮影データ:2018年10月08日20:51:21〜,R-140SS改IIb(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,9コマコンポジット,AstroLPR Yype-1)

 月曜夜は、翌日仕事なので近場の白木峰へ。透明度も悪かったので、光害除去効果が大きいAstroLPR Type-1を使うことにした。前のエントリーにあげた北アメリカ+ペリカンを撮影したあとは、近くの亜鈴状星雲に。このフィルター、惑星状星雲の輝線はほぼ全て通すので、色の偏りも少ない。もっと撮影枚数を増やせば滑らかになって透明感も出てくるのだろうが、後が控えていたので早めに切り上げた。

 <撮影データ:2018年10月08日21:41:10〜,R-140SS改IIb(d=130mm,F3.29),EOS600Da(ISO3200,180sec,16コマコンポジット,AstroLPR Yype-1)

 そして、この晩に撮ろうと思っていた、ケフェウス座の像の鼻。淡いので16コマ撮影したが、それでも荒れてしまっている。構図は実に中途半端であるが、角にゴーストが出たり、像の鼻先を中央に入れようとしてみたりだったので、次回の宿題にしておこう。この星雲、分子雲中の空洞の壁が電離して光っており、そこに指のようなガス柱が何本も付きだしている。像の鼻というのも、単一の細長い柱ではなく、短い指のような突起が直列に並んでいて、1本の長い柱のように見えているだけのようだ。

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