黒曜石で鏃づくり。
- 2020.05.13 Wednesday
- 12:03
針尾産の黒曜石、剥片をとった余りが厚みのある板状になっていたので、尖頭器を作ろうと思い立ったのだが・・・
途中までは順調。外周を薄くしながら全体の厚みを削っていき、おおまかな調整が終わろうかというときになって、まさかの真っ二つ。がっくり落ち込んでしまったが、気を取り直してその余りからすこし大きめの鏃を仕上げた。
黒曜石ナイフを作るという最終目標にはまだまだ遠いが、少しずつ技術の習得がすすんでいることを実感する。
針尾産の黒曜石、剥片をとった余りが厚みのある板状になっていたので、尖頭器を作ろうと思い立ったのだが・・・
途中までは順調。外周を薄くしながら全体の厚みを削っていき、おおまかな調整が終わろうかというときになって、まさかの真っ二つ。がっくり落ち込んでしまったが、気を取り直してその余りからすこし大きめの鏃を仕上げた。
黒曜石ナイフを作るという最終目標にはまだまだ遠いが、少しずつ技術の習得がすすんでいることを実感する。
天候が悪くて、なかなか太陽撮影が捗らない。第25周期の活動も、月初めよりはすこし落ちているようだ。そこで、黒曜石のかわりにガラス瓶を用いて石器を作ってみることにした。
正月に屠蘇につかった日本酒の瓶の底をとってみた。ガラス瓶の側面は意外と薄いので、石器作りに使えるのは底くらいである。ドリルの刃を逆さまにして瓶に投入し、カラカラと振ると、底がきれいに抜けてくれる。
まずは縁がうすくなってとっかかり易いところから鹿角ハンマーで打撃を加え、縁に残った側面を飛ばしていく。ガラス瓶は黒曜石と比べると脈理もなく、弱い打撃でも打点と角度が正確なら大きく剥離できる。かつて参考にしたHPで読んでいた、「軟らかい」という表現がしっくりとくる。
全周剥離したら、次は徐々に楕円形に整えていく。このとき、断面の片凹型凸を、できるだけ表裏対称にしたいところだが、折損が怖くて思うように剥離できなかった。
表裏ともに割り残しがあるが、とりあえずは小型の尖頭器ができあがった。
サイズはこんな感じ。この鹿角の太い端で直接打撃をして、尖った端で押圧して整えた。あとで瓶の底から鏃をつくる動画をあれこれ見ていたら、製作手順や押圧のやり方にまだまだ改良の余地がある。また適当な瓶を浸かって、もっと大きい剥離ができるようになりたいものだ。
20年ほど前、伊万里の腰岳で黒曜石がとれると知り、ちょうど林道工事中だったこともあって、拳大ほどの原石をいくらか貯めこんだことがあった。そして、積丹のNさんと物々交換して、エゾ鹿の角や十勝の黒曜石を入手した。これで念願の石器を作れるぞと喜んだのだが、当時の技術ではうまく剥片をとることができずにそのまま死蔵してしまった。
先日、何気なくYouTubeで石器作りの動画を検索してみたら、片側が厚い剥片でもうまく打撃すればけっこう簡単に薄くできることがわかり、またやる気が出てきた。おりよく佐世保の親友E氏がH島の産地を教えてくれたので、ある週末に一緒に採りに行った。
ここの原石は大きな礫の状態で埋まっており、耕作に邪魔なものが片隅に寄せてある。ほとんどは赤茶けた多孔質の表面をもっていて、どうやら火砕流か何か、火山性の堆積物の中から産出するようだ。原石の質は様々で、割れ面にきれいな貝殻模様があるもの、割りやすそうな平面があるものを中心に、楕円形の黒曜石を叩き石にしてきれいに割れるものをいくつか選んで持ち帰った。
すこし先が欠けたが、剥片の粗取りにはこれを叩き石にしている。以前うまくいかなかったのは、鹿角では軽すぎ、地元の河原で拾った円礫では弱すぎて、じゅうぶんな打撃が得られなかったからのようだ。
ためしに割ってみると、まだ片方は原石面だが、けっこう大きめの剥片がとれた。
面白がって次々と叩き、使えそうな剥片がこれだけ貯まった。尖頭器には小さいが、石鏃くらいなら作れそうだ。
特に薄くとれたのがコレ。H島の黒曜石は、すこし青みがかった黒色不透明だと思っていたが、左のは漆黒で透明感があり、右のは縞模様がある半透明。未確認の噂では、赤いのもあるらしい。いつか見付けてみたいものだ。
そして手頃な剥片を叩いて薄くして、押圧技法で仕上げて石鏃にした。以前うまくいかなかったときは、動画もなくて文章から推測して叩いていたが、今回は豊富な動画資料のおかげでフォームにこまかい修正を加えることができた。厚い縁やコブのとばし方もなんとなくわかってきたし、以前挫折していた厚い剥片をどこかにしまっていたはずなので、加工してみようかと思う。