手乗り髑髏。

  • 2015.04.16 Thursday
  • 15:47
 先週、京都に出張したときに、学会場の企業展示で医療用模型の「ミニスカル」をオーダーしておいたのが、職場に代引きで到着した。

 医療用模型には原寸大モデルもあって、そちらのほうが精密なのだが、あまりにも本物っぽいのでそれを見て具合が悪くなる患者さんが出ては困る。そこで、このサイズなら本物と間違う人はいまいということで購入してみたわけだ。手乗りサイズの可愛い奴である。

 あまりにも可愛くて、連れて歩きたくなったときには、こうして白衣のポケットの中にすっぽりと収まる。ポケットを覗き込むと、目が合ってしまった。違う、あれは目ではない。ただの穴だ。

 レントゲンモニターの前の定位置においてみると、コースターがとてもよく似合う。しかし、奴はなにも愛玩用というわけではない。顔面から側頭部にかけての骨格は立体的に入り組んでいるので、レントゲンの説明をするときに図を描いても言葉でも伝わりにくいと感じていた。奴はその説明を手伝ってくれる、有能なアシスタントというわけだ。必要なときにはしっかり働いてもらうとしよう。
 

出張してみました。

  • 2012.11.26 Monday
  • 20:53
IMG_3481.jpg
 今年の出張シリーズ、先々週の大阪での漢方セミナーと、昨日の横浜の抗加齢美容医学会で終了しました。大阪では謎の大混雑(たぶん時代祭の余波)でいつもの宿がとれず、一昨日・昨日は連休で混み合っていて疲れましたが、それぞれに収穫があったのでよしとしましょう。
 大阪ではいつもとは違うルートで会場入りしたおかげで、朝の土佐堀川畔で見事な紅葉に出会いました。昨日も、これまでとは違うルートにして関内から山下公園まで朝のウォーキング。山下公園の銀杏は残念ながらイマイチでしたが、氷川丸の鎖にずらりならんだカモメを撮ることができました。大桟橋からは少し離れていますが、元祖『かもめの水兵さん』といったところでしょうか。

医療を崩壊させたい人々。

  • 2009.11.21 Saturday
  • 15:54
 財務省のお歴々、どうしても日本の医療を崩壊させたいようです。1次資料が出ています。http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/h22/iryo.pdf
医療費の対GDP比国際比較なんて都合の悪いデータが載っていないのはお約束として、途中に出てくるグラフの数々・・・順番通りにいきましょう。まずは、コレ。

医療費内訳.jpg

 内訳のうちでも人件費が多く、これを圧縮する必要があるといわんばかりのグラフ。人件費の「医師等の人件費」には、医師、看護師、各種の臨床技師や療法士、事務員、厨房などの人件費が含まれます。崩壊著しい地方公立病院においては、短期で転勤する医師を除いたコメディカルスタッフは勤続年数が長く、昇給に伴う人件費が収支を圧迫しているという構図があります。それをことさらに「医師等の・・・」と強調する、その意図は?だいたい医療というのは質を上げようとするとマンパワーを集中的に投入する必要があるので、人件費は多くなって当然です。それを抑制すれば職場から人が逃げ出しても当然でしょう。次は、コレ。

医療費比較.jpg

 一見、医療費の高止まり。しかし、よく見ると比較対照の物価や公務員給与は実際に流通したり支払われている金額からの算出ですが、診療報酬は「改定率」であって、実際に支払われた額ではありません。前回の「わずかなプラス改訂」でも、「外来管理加算」など算定される回数が多い項目は減額になっており、手厚く保護されたはずの小児科でさえ改訂後は1割ほどの減収になったというのが無視されています。このグラフは「比較」の最低基準すら満たしていません。次ぎは何かな・・・?

収入比較.jpg

 よ、待ってました!以前から繰り返し書いているデータの登場です。「開業医の収入は勤務医収入の1.7倍!これが同じになるよう格差を是正しないと・・・」の根拠です。比較項目は・・・「勤務医の年収」「開業医(法人等)の年収」「開業医(個人)の収支差額」。え、収支差額?収支差額って、勤務医の年収(≒可処分所得)と比較できるのでしょうか?スタッフ給与や設備機械の支払も多分含まれているのでしょうが、それを割り引いて含まれていないとしても、開業に伴う借金の返済分は収支差額の中から支払われているのでは?となると、個人開業と法人とで年収に差は出ないでしょうから、法人の年収というのも・・・推して知るべし。更に、この給与の中から結構な額が法人に貸し付けられていますが、医療費抑制政策のもとでは回収の目途など立っていません。・・・で、これ、勤務医と揃えたら皆開業やめますよ。現在でさえ可処分所得は勤務医≧開業医という状態なのに、何のために苦労して専門外の経営だとか人事だとかまで背負い込んでいるんだか・・・。開業を辞めた医師が勤務医にもどるかというと、病院でも人件費を抑制するのなら、行き場はありませんね。それに開業医はご高齢の方が多いですから、そのまま閉院=引退というのがほとんどかと。思わず長くなりました。さて、次ぎです。

勤務時間比較.jpg

 開業医は楽して儲けているのか・・・?いや、入院患者さんがいれば、夜中でも呼ばれれば出て行きます。勤務医の場合、それがしっかり表向き「当直」として管理されていますが、開業医は自宅の隣の病室にちょこっと顔を出したからって、そんなの勤務時間には入りません。それに、いまは入院なしの無床診療所が多いんですから、時間外労働の質も量も比較することはできないでしょう。

 ざっと目に付いたところを列挙しただけで、こんなにウソが出てきました。この財務省によるデータは、日本の医療費が国際的には極めて少ないことをひた隠しにし、更に都合の良いデータを切り貼りして「比較のような何か」のグラフを列挙し、それによって「開業医は楽して儲けている」と見せかけて「医療費は切りつめなければならない」という主張を正当化する内容になっています。この方針は、医療崩壊を早めこそすれ、崩壊を防ぐことは決してできないでしょう。財務官僚がこの主張を無知でやっているにしても、故意にやっているにしても、政府が政治力を発揮して修正しないといけない事柄でしょう。まだ期待していてもいいのでしょうか。

無知+故意=邪悪?

  • 2009.11.12 Thursday
  • 13:00
 民主党政権の目玉として大々的に報道されている「事業仕分け」、その医療費部分について。
記事は医療・介護系のCBニュースです。http://www.cabrain.net/news/article/newsId/25152.html

 まあ、つまるところ、仕分けメンバーの無知につけ込んだ財務官僚のやりたい放題。自民政権の頃から彼らが企んできたことが、ほぼそのまま通っています。財務省側の「▽ 公務員の人件費カットや物価のデフレ傾向が進んでいる現状を勘案して、診療報酬全体の伸びを決定する▽収入が高い診療科の報酬を見直す▽開業医の報酬を勤務医と公平になるように見直す?の3点によって財源を捻出し、勤務医対策に充てることで、国民負担を増やさずに医療崩壊を食い止める」に対して、WGの評価は「「診療報酬の配分(勤務医対策など)」について16人の評価者全員が「見直しを行う」とした。その例としては、「収入が高い診療科の見直し」が14人、「開業医・勤務医の平準化」が13人の支持を得た。また、「公務員人件費・デフレの反映」についても8人が支持したことから、厚労省に対して考慮するよう求めた。」だそうです。つまり、診療報酬の総額を抑制しながら病院に重点的な配分を行う。そのために診療所や収入が高い診療科の報酬を切り下げたいということ。
 この評価の問題点といえば・・・早い話、全て的はずれであるということ。まず診療報酬が高い診療科なんて、ひと昔前は眼科がなんとかとかいわれてましたが、今度は整形外科と皮膚科だそうで。ところが不思議なことに、まわりを見回しても整形外科の開業が楽だとか、皮膚科の開業が楽だという話はぜんぜん聞こえてきません。単に他科の崩壊具合より多少ましな程度だから目立ってしまったというレベルでは?
 次ぎに開業医・勤務医の平準化。この比較自体がナンセンスであることは先のエントリーの通り。財務省のお歴々はまだ諦めていない様子です。本気で診療報酬=医師の報酬と思っているのでしょうか。また、医療崩壊が収入の問題ではないことは、記事中、厚生労働省の外口崇保険局長の発言・・・「前回改定で病院勤務医対策を重点的に評価した」にもかかわらず、結果検証で、勤務状況が1年前と比較して「悪化した」との病院勤務医の回答が40.8%に上った・・・をみても明らかでしょう。
 この事業仕分けの総括は、ssd先生のブログでの該当エントリーで「しろふくろう」先生がコメントされている、

>国民負担を増やさずに医療崩壊を食い止める取り組みを行ってはどうか
言い尽くされていますが、この理屈は「定食屋の料金のまま高級料亭のメニューを満喫できる企画を進めてはどうか」と同義です。

に尽きます。政権が変わっても医療崩壊をとめる即効性のある施策は見つからないようです。それどころか、現状では崩壊は加速する気配。酷な書き方ですが、「国民皆保険制度による安価な医療はなくなります。もってもせいぜい3,4年程度でしょう。覚悟しておいてください。」としかいいようがありません。

一方、読売系のCareNetでは・・・

  • 2009.11.06 Friday
  • 10:16
同じく診療報酬改定を取り上げた記事(一部を引用)

**********************

Q 診療報酬とは何か
A 医療機関が保険で患者を診療した場合に受け取る代金。一部は患者が自己負担し、残りは健康保険の保険者が支払う。診療内容ごとに決まった点数(1点=10円)で計算される。診察や治療にかかる診療報酬本体と、医薬品や医療材料代の薬価に分かれ、おおむね2年に1度改定される。

Q どうやって決められてきたのか
A 診療報酬の改定は、政府が全体の増減の割合(改定率)を決め・・・(以下略)

**********************

さすがに「診療報酬は医師の収入だそうだけど云々」といった頭の悪そうな記述はありませんでした。しかし、

**********************

Q 日医の委員はなぜ排除されたのか
A 開業医が中核をなす日医は長年、診療報酬改定を開業医に有利に進めてきたとされる。病院勤務医の過酷な労働実態を背景に医師不足が深刻化し、長妻厚労相は診療報酬を病院に手厚く配分する方針を決め、実現への布石として、日医の影響力をそいだ形だ。

Q 勤務医の処遇改善策はこれまでなかったのか
A 2008年度改定でも最重要課題とされ、救急医療や産科、小児科には診療報酬が加算された。ただ、診療所の再診料を削り、勤務医対策の財源にする方針が日医の反発で見送られ、中途半端に終わった。

Q 再診料にどんな問題があるのか
A 再診料は、2回目以降の診療に、診療所710円、中小病院(200床未満)600円を請求できる。かかりつけ医としての役割を評価して診療所に手厚いが、患者の病院志向の高まりに加え診療所より割安とあって、病院に患者が集中する一因にもなった。

**********************

 このあたりはまだ認識不足です。
・まず、病院勤務の労働実態の悪化は、単純に医学部定員削減と医療の高度化への要求が原因であること。
・次ぎに、病院の再診料を増額しても、それが医師の待遇改善に直接繋がらない(おそらくは変わらない)こと。これは先のエントリーで書きました。
・日本は医療費の総額が国際水準よりおさえられており、診療所の再診料を削るとかなりの割合の診療所が経営破綻に至る。診療所が壊滅すれば病院診療も破綻するであろうことは容易に予想されます。病院と診療所の対立をはかる現在の政策は日本の医療を根本から破壊しつくします。

 診療報酬を改訂するときには、厚生官僚は極めて巧妙な手口を使ってきます。前回改訂はマスコミに対する公式発表では0.02%だったかの増額と発表されていました。実際に、全診療科の全保険診療(診察料から各種検査、処置、手術、入院、食事等々)すべてを万遍なく1回ずつ算定すればそうなるのですが、実際にはそのようなことはありえません。
 そして、たとえば外来管理加算、これは内科などで診察のみ、処置が発生しない場合に再診料だけでは赤字になるために認められた項目なのですが、これに「5分以上の医師による診察と説明を要する」という制限をつけて、算定できないようにしたりしています。これは中医協の審議を経たものではなく、官僚が勝手に付け加えた文言です。ここではあえて書きませんが、5分という数字の根拠も全くありません。だいたい、いちいち5分になるかどうか計っていれば診療の妨げになりますし、診療内容、説明の密度が全く考慮されていません。仮に電子カルテだったところで、忙しくなると診察を先に済ませてからファイルを開いて記載することもあるので、カルテ上の診察時間と実際の診察時間は対応していません。
 他にも同じような制限や減額があれこれと加えられていますが、これらは全てこの外来管理加算のように、毎回繰り返し算定する項目に集中しています。結果、改訂後の医療機関の収入は役10%減、これは「手厚く算定された」はずの小児科や産科でも同じでした。これが「診療報酬0.02%増額」の実態です。
 小泉改革時代の社会保障費抑制は、意図的に保険診療制度を破壊し、その後に外資系の民間保険を導入するというお得意の「民活」の構想に沿って行われていました。その結果が現在の惨状です。現厚労相の発言は、診療報酬総額の大幅増の必要性を語る一方で、病院向けの診療報酬増の財源には診療所向けの報酬減をあてるとも語っています。
 民主党はこれまで野党らしく、自民の政策に対抗して耳に聞こえの良い方針をあれこれと発表してきたわけですが、与党となった今、それらの方針の整合性が問われています。それらの発言全てが実現できるとは国民も思っていないでしょうから、すべてを盛り込んで国債で沈没といったような事態だけは避けていただきたいものです。

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