R-140SS改造計画・2インチフィルターでの試写(2)
- 2017.09.06 Wednesday
- 21:58
R-140SS改IIは、前回MFAから2インチフィルターに変更したものの、まだゴーストにしつこくつきまとわれている。今回は、2インチフィルターを少し傾けて効果を見ることにした。
まず、どうやってフィルターを傾けるかで悩んだ。最初はフィルター枠を分解して、フィルター本体に下駄をはかせることを検討したが、どうにもうまくいかない。そこで、ちょうど2インチスペーサーの代わりに分解した48mmフィルター枠があったのを思い出し、黒塗りのアルミテープを使って2インチスリーブの先端に固定した。これでフィルターはいじらなくても済むし、センサーの短辺方向に傾ければ透過波長のずれを最小限に抑えることができる。工作終了後、上弦の半月だったが、試写ならできると考えて出撃した。
雲は多かったが、おおむね快晴。本当は輝星が多いM45を狙いたかったが、まだ時間が早いのでまずは北アメリカ&ペリカンを。デネブのゴーストが出るのはわかっているが、AstroLPR Type-Iのテストとしては良い対象である。ISO3200の5分露出、8コマを目指したが7コマ目でガイドが暴走して終了。
AstroLPR Type-Iは、IDASのLPS-Vシリーズに比べると青波長域の透過幅が広く、そのためかやや被り気味の画像になってしまった。しかし半月でこれならまあまあで、ブライトリムも赤チャンネルマスクを使わなくても立体的に写る。写野内の輝星程度ではゴーストはできず、右上のデネブによるゴーストの対策さえできればこの鏡筒も実用段階に入りそうだ。
撮影データ:2017年9月1日01:00:16〜,R-140SS改II(d=140mm,F3.06),EOS600Da(AstroLPR Type-I,ISO3200,5min,8コマコンポジット)
M45が昇ってきたので数コマ撮影してみたが、しばらくしてC/2017O1ASASSN彗星が近くに居るのを思いだして、狙ってみた。AstroLPR Type-Iは元来彗星の尾を強調するのが目的のようなので、月明のもとで良いテストになった。この日の光度は8.6等とまだ小粒だが、短い尾を右側に伸ばしている。
ここまではISO3200での撮影。撤収時にダークフレームを撮影したが、何故か記録できておらず、ダーク減算無しで処理しないといけなかった。スカイフラットは前回のを流用し、RAP2の輝点・黒点除去のみである。ISO1600になるともう少し良くなるはずなので、ダーク無しというのもアリかもしれない。
そうこうしているうちに月が沈んだので、前回同様のAstroLPR Type-II、ISO1600の5分露出、4コマコンポジットでM45を狙ってみた。右上にシュミット補正板によるゴーストが数匹泳いでいるが、これは仕方ないので無視するとしよう。フィルター由来のゴーストはうまく追い払うことができた。しばらくはフィルター枠仮固定のままで輝星が多い冬の星雲を写してみて、結果が良ければきちんと固定することにしよう。そうそう、HEUIB-IIも2インチのを買わないと。ちょこまかした散財はしばらく続きそうだ。
ゴースト対策にも目処が立ったので、そろそろ2インチのHEUIBが欲しくなっています(^^;
フラットシュミットの元ネタはこちら(http://www5f.biglobe.ne.jp/~kztanaka/flatsc.html)、ミードのSN8,SN10では元ネタのサイトで製品化されてます。R-140SSだとミラーボックスが邪魔ですが、もう少しパワーが強いレンズをセンサーから離して置く(球面収差は強くなる)と現在の形になります。この鏡筒の場合、クローズアップレンズだと球面収差がもっと強く残るので、さすがに像が甘くなるようです。
フィルターでのゴーストはきれいに無くなりましたね!
補正板の分が残念ですが、これも対象次第ってところですかね。
クローズアップレンズで補正するというのが以前流行ってましたが、なかなかいけるみたいなんですよね。お値段もあれですし。
こちらは、最近は、BORG76EDの活用と、LPS-P2フィルターに代わるもので、もっと青が出るやつないかなぁと物色中です。