プチ物欲と成果。
- 2018.10.16 Tuesday
- 23:16
仮装武器市場を何となく巡回していて、ふとあるフィルターが物欲大佐のアンテナに引っかかった。OPTLONGのUHC-Eというもので、残り7時間というのに猛烈に安い。調べてみると、現在使用中のAstroLPR Type-1に似た性質だが、緑と青の透過域をかなり絞ってあることがわかった。
すこし荒いが、透過曲線を重ねてみた。黒がAstroLPR Type-1、青がUHC-Eである。Hαを含む赤色域ではほぼ同じ特性だが、緑はOIIIにあわせて、また青もかなり鋭く絞っていて、AstroLPR Type-1と比べると彗星の描写は劣るかもしれないが、気になる青被りをだいぶ軽減できるのではないかと思われた。物欲大佐はさっそく参戦して、首尾良く格安で撃墜。これが土曜の昼に着弾したので、そのまま装備して、夜に小長井のいつもの場所に進出した。
当初は水瓶座のらせん星雲を狙おうと思ったが、南のほうから断続的に雲が広がってきて、どうも良くない。そこで北西のはくちょう座に転進して、網状星雲を撮ることにした。まずは東のNGC6992。今度は北からも雲が流れてきて、ぎりぎりで写野にかかるかどうか、きわどい状態。5コマ撮ったところで暴走し、なんとかおさめて16コマ追加することができた。
<撮影データ:2018年10月13日22:28:14〜
これがフィルターの効果だろうか、PCのモニター上でもやたらと色彩が豊かだった。処理してみるとこんな感じ。赤と青のフィラメントが繊細に絡み合って、すこしいじるだけで満足できる仕上がりになった。
<撮影データ:2018年10月13日23:46:22〜
次は西半分、NGC6960。はくちょう座52番星に重なって面白いが、形そのものは東半分のNGC6992のほうが面白い。ところが、モニターの隅にガスの塊が見えたので、急遽構図を変更して撮影。まちがいなく北西側にも星雲がある。これまでは写野が狭かったり、カメラの性能が低かったりしてまったく意識していなかった、NGC6979だった。処理するときに赤を強調してみると、そこから南にむけて、フィラメントや淡いガスがひろがっているのが浮かび上がってきた。この画像では、左上の隅に円弧状のゴーストが出ている。たぶん52番星が光源だろうが、なんとかならないものだろうか。
AstroGPSでは26時前頃から曇る予報になっていたので、残り時間はわずか。スカイフラットは曇ってから撮れば良いので、もう1対象いけそうだ。らせん星雲は市街光の中に沈んでいたので、ちょうど南中過ぎのNGC253に決めて、すでに市街光の影響を受け始めていたので、フィルターもそのままで撮影した。
<撮影データ:2018年10月14日00:58:37〜
この銀河は大きいので短焦点でも様になる。いつか撮ってみたいと思いながらも低空のためなかなか撮れずにいた対象だ。色調はまだ改善の余地あるが、いちおう中心部と腕の色の差も見えるし、この焦点距離ではこんなものだろう。そのうちオライオン25cmで狙ってみたいものだが、そのためにはオフアキなんかも調達しないといけなさそうで、また風の影響も受けるだろうし、どうしたものか考え込んでしまう。
今回の新月期の画像は、これでおしまい。ここですこし気になったので、網状星雲の東西をつないでみた。
それぞれコンポジット枚数も処理も異なり、おまけに構図も縦横ばらばらだが、つないでみたらこんな感じになった。こうしてみると、この鏡筒の歪曲収差はそれほど影響無さそうだ。もう季節が遅いので今年は無理だが、来年は計画して網状星雲の全体像をモザイクにしてみようかと思う。
- 星
- comments(2)
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網状、新しいフィルターを使ったんですね♪
Y−daのHPで見たときに、色彩がいいなぁと思ったんですよね。
いいフィルターゲットしましたね。しかも格安だったとは。
UHC-Eか・・覚えとこう!