そして、太陽撮影に使っていたPowerShot120sがいよいよ使えなくなり、終わったマウントなのでためらっていた、EOSM100を入手した。ところがいざ入手してみると、太陽だけに使うにはもったいない。EFアダプターが付属していたので、これまでのレンズ資産を流用しようかと思っていたが、そのアダプターにかなり厚みがあり、せっかくのコンパクトさを活かせないとわかった。
こうなるとスナップ用のレンズが欲しくなる。安いので気になっていた、7artisansの25mmF1.8を入手。
これが安いだけあって、ボディとの連動機構は一切ない。しかし、絞り優先にしておけば露出は問題なく、ピントはMFでもピーキングが使えるので困らない。絞りは実絞りだが、モニターでは明るさは補正されるので問題なく、、プレビューしなくても絞り効果が見える。ミラーレスになり、レンズがかえって退化したというのは面白い。
庭のコナラを撮影したら、強烈な周辺減光と半逆光があわさったせいか、思いもしなかったトーンになった。これは相当なクセ玉だが、実は好みでもある。さっそくハンドストラップを調達して、スナップシューターに仕立ててみた。フルサイズ換算で40mm、Rollei35より少し大きいが、面白い装備になりそうだ。
]]>さすがに定評あるレンズだけあって、写りは満足、望遠端もこれくらいあれば充分だろう。ただ、晴天屋外だと絞りがf5.6くらいになってしまい、せっかくの大口径を活かせないのには困った。余計なフィルターワークは好みではないが、ここは妥協してND8を導入することにした。
ちょうど庭の紅葉が良い具合になってきたので、さっそく撮影。ついついうれしくなって、ほぼすべてのカットでフォーカス送りをしてしまったので、やりすぎ感が前面に出てしまったのは反省点だ。
そこで、すこし控えめにしてもう1本撮ってみた。同じ素材を使っているので変化に乏しく、本当はこの2本を1本にまとめないといけないのだろう。
このレンズ、沖縄出張に持って行くつもりだったが、キャリーバックパックが壊れてしまったので、1泊2日用のキャリーバックパックに3泊4日の荷物を詰めないといけなくなり、装備から外してしまった。もっとも、期間中ずっと天気が悪かったので、持っていたとしても使わなかっただろう。
その後はしばらく持ち出す機会はなかったが、ある夕方にふと外をみると珍しく濃霧だったので、急遽まわしてみた。この後も撮影しようと思っていたが、霧は短時間であっさりと消えてしまい、似たようなカットをつなげる羽目になってしまった。消化不良の撮影が続いているので、そろそろまとまった撮影をしてみたい。今年はランタンフェスにでも行ってみるかな・・・と思ってみたが、例年インフルが渦巻いているし、今は騒がれないだけでコロナもそれ以上に多いことを知っている身としては、控えるのが正解だろうな・・・
]]>以前から汎用性に優れるこのレンズを使いながら、唯一の不満は絞りが暗いこと。ボケが小さいのでフォーカス送りがほとんど使えない。もっと明るい大三元レンズといわれるものには、パナソニックなら1:2.8/12-35、オリンパスなら1:2.8/12-40があるが、後者は手振れ補正がない。ボディ内補正が効かないBMPCC(original)だとパナのほうが都合がよい。望遠側はあまり長くても手振れが目立つだけだから、定評ある12-35が美味しそうに思えてくる。フィルター径も58㎣なので、今のBlackmistNo.05をそのまま流用できそうなところも魅力的だ。仮想武器市場では、カビが生えた個体が目立つので、スカをつかまないように気を付けないといけないが・・・などと、物欲大佐が暗躍をはじめた。
このときは、まだ帰途の大混乱を知る由もなかった。
]]>入ってすぐの日本庭園から、斜面はもとの植生を活かして里山風、湧水はまた日本庭園になって、そこを見下ろす斜面の上に東屋。1時間ほどかけて撮影しながら、ふらふらになって東屋へ。一休みしてから資料室に行ったら、エアコンが効いていたので助かった。汗が退くまでそこで休憩して、もうひとまわり撮影したが、どうも花が少ない時期のようで、帰ってから編集したがどうにも締まらない。ここも8月の出張のときに追加撮影して、2日分をあわせて仕上げてみた。四季折々撮影したら面白そうだが、なにぶん遠いので、通うのは大変そうだ。
この庭園の里山の雰囲気は、個人的な好みのど真ん中。しかし、これだけの面積を里山風に保つために、どれだけ手間がかかっていることか・・・ウチのクリニックの庭も里山風を目指しているが、とてもここまでの手間をかけることはできそうにない。それでも良いお手本を見せていただいたので、なんとか手を入れてみたいものだ。
]]>途中で順番が怪しくなって、あとで数えると数が合わない。どうやら終盤は道の両側にあったらしい。仕方ないので、8月中旬に学会出張で新宿に行ったとき、空き時間に追加撮影してまとめてみた。もうすこし記念碑をしっかり撮っておけばよかったが、当時は暑くて熱中症なりかけ。とてもそれどころではなかった。いつかまたリベンジしないと。
]]>
早朝、空港に向かうが前も見えないほどの豪雨でアイサイトが停まる。なんとか着いてはみたものの、雷のため地上作業は中断している。クリニック近所の川が危険水位になったりしてハラハラしたが、2時間ほど遅れて飛ぶことができた。
何故か横倒し画像はパシフィコ横浜の学会場。1泊2日で学会上と宿、空港の往復だけのコンパクトな出張である。宿は桜木町にとって、懇親会がおわった会場から宿まで、しばし横浜らしさをささやかに味わってみた。
帰りはすこし早めに出て、みなとみらいのモンベルで出張用のバックパックに補助ストラップをつけてみた。これでだいぶ肩が楽になるはず・・・これがすぐに役立つとは・・・京急蒲田近くになって、いきなり外が見えないくらいのゲリラ豪雨。
空港に憑いたら、またも地上作業中断。夕方の羽田だけあって、出発ロビーは阿鼻叫喚。出発便の案内表示も締め切ってないのに搭乗締め切りになっていたりとめちゃくちゃで、置き去りになるのではと不安に駆られる。コンセントをみつけてiPhoneを充電したり、脚が疲れ切っていたので椅子を探したりと右往左往、長蛇の列に並んで、隣の人と「本当に動いているのかな・・・」といいながら開いたフライトレーダー24の画面では、見事な団子ができており、おもわず笑ってしまった。
結局、3時間遅れでなんとか離陸、遅延の度合いによっては引き返すかもと脅しがついていたが、なんとか無事に着陸。這う這うの体で帰り着くなり、左手首に巻いていた念珠がぷつりと切れた。。どんだけ負荷がかかってたんだか・・・
]]>
平日だったので、近場の堤防へ。市街地の東縁だが、東のほうには灯火が少ないのでなんとかなるだろうと。画像左の木立あたりから出てきた彗星を首尾よくとらえたが、いざ画像処理となると、どうしてもフラットが合わない。露出がまずかったのか、強引に仕上げると背景がトーンジャンプを起こして使い物にならなかった。
世間ではイオンテールが長く伸びた見事な画像が撮れているというのに・・・3日間出撃したが、2日目以降は雲に阻まれて沈没。最近ではまれにみる惨敗だった。
数少ない成果?といえば、この蚊よけスプレーがなんとなく役に立ったこと。設営地点を囲むように地面に吹いておけば、数時間は蚊が来なかった。高価なのが難点だが、ひどく刺される体質なので、重宝しそうだ。
]]>そこで検索してみたら、SunwayPhotoの縦横変換リングが安かったので撃墜。
ちょうど出たばかりのケンコーのと比べても、約半額だった。
ペルセ群狙いに、さっそく実戦投入。リングにつけるときにカメラのF38プレートを外す必要があるが、なんと雲台にレンチ内臓。磁石で固定されているので紛失の心配もなく使いやすい。
残念ながら、ペルセ群れは不発だった。そうそう、冬のふたご群もおなじく撃沈。肝心のシネマカメラにはまだ使っていないが、まあ良しとしよう。
]]>やっぱりブレがないと気持ち良い画像になる。しかし、取り回しがとても大変で、特にパニングのときに水平が出ていないと見苦しくなる。ここはビデオ三脚が必要かな・・・と思ったが、ボールマウントがついた専用の三脚は高価すぎて手が出ない。雲台の下にはさむレベラーはあるが、望遠鏡のガイド鏡取付につかっているので、いちいち組み替えるのは忘れ物の元になったりして困るだろう。なんとかならないものか・・・と、物欲大佐の暗躍がはじまるのだった。
]]>焼けはこんな状態。そろそろ画像に影響しそうな雰囲気である。
さかさまだけど、届いたフィルター。
マウント側から分解して交換できる。EOS600Dのときに比べたら、はるかに簡単。
交換完了。これでまた安心して使えそう。このあとバッテリーもすこし追加して、2個使える状態になった。バッテリーが劣化しやすいのは、たぶん過放電のせいだろうと思うので、残量に気を付けながら使うことにしよう。
]]>初回でバラシがあったのでしばらく通ってみたが、その後はかすりもしない。スイッチロッドを新調してみたけど、いつまでも入魂できずにいた。
秋になって、またいつもの漁港に場所を戻したが、こちらでもばらしてばかり。何度か通っていると、そのスイッチロッドでタイワンガザミが釣れた、というより、絡まったラインをほどいて改修したら、フライを挟んで上がってきた。めでたく入魂、いや、これでいいのか?
このあとは、あれこれ忙しくなって、西諌早に数回行ったあとは久しく釣行していない。キャスティングの練習もしないといけないし、もうすこし落ち着いたら出撃したいところだ。
]]>大村湾は極度の閉鎖海域で、波が静かで潮位差も少ないので、陸と海の間合いが近い。まずは右岸側を下見。ここは河口の堰堤から本流を背にして漁港側を見たところ。この船溜まりにも潮位が上がったらいろいろ入ってきそう。背後の本流の向こう岸では、ルアーマンが大きなチヌをランディングしているところだった。
左岸に移動。画像は本流の横のワンド。この左から河口のほうに延びた堰堤や、本流の堤防沿いでキャストしてみた。ロールでも良いが、けっこう背後が開けているのでオーバーヘッドでもいける。見えチヌはいたが、キャストの動きに反応して逃げてしまう。到着が10時過ぎと、時間帯が良くなかったようで、昼間はチヌも活性より警戒が勝っているようだ。対岸に渡ろうと橋の上に立ったら、巨チヌの群れがゆっくりと遡上してくる。しかしこれもちょっと体を動かすと、さ〜っと遠ざかってしまう。チヌに交じって1m近いスズキも悠然と泳いでいた。ここは朝まづめに狙うべき場所だろう。
そして別の週末、またまたいつもの漁港のいつもの場所へ。沖に面した突堤のほうでは、餌釣りの人が大きなチヌを上げていた。河口側に陣取って、まだ明るいうちにシングルスペイの練習を始めると、まあそこそこ飛ぶ。3投目くらいで30秒ほどカウントダウンしてから引き始めると、鋭いバイトがあり、臨戦態勢に。先日の鯉のときより引きが強く、おまけに走る。ラインを手繰るよりも、ここは無理せず余ったラインを急いで巻き取って、初体験のリールファイトに持ち込んだ。数回走られるが、鰓洗いはないのでスズキじゃないかも…と思いながら寄せてみたら、キビレチヌだった。
ランディングネットは出していなかったので、階段を下りてフィッシュグリップでハンドランディング。40?に少し届かないくらいで、この日出撃前に巻いていたエビパターンをしっかり咥えていた。いちおうスズキとチヌをメインターゲットと思っているので、本命魚で自己ベスト。このエビパターン、形よりも動きをイミテートするもので、巻きやすいのでいくつか色を変えてそろえておきたい。街灯がついて夜戦になってからは魚影なく、キャス練になってしまったが、満足の釣行だった。
追記:魚種に違和感があったので画像検索してみたら、どうやら『ヘダイ』のようだ。ということは、コレも大きな外道か。いや、チヌより嬉しいかも。
]]>はじめはM101を狙うつもりだったが、直前で気がわかってM51子持ち銀河に。いざ撮影になると別段トラブルはなく、16コマ撮影したところで曇り始めたので、ダークフレームを撮りながら撤収した。
《撮影データ:2023年05月14日22:53:13〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO3200,300ec,16コマコンポジット,AstroLPR2 フィルター使用》
小さいので中央部をかなりトリミングしている。子銀河の周囲の花弁状のひろがりと、親銀河の腕がゆがめられたのはきれいに描出できたが、腕の青さが出なかった。あと、焦点距離が800~1000?ほどあれば詳細が写せるのだが、これはF値の明るさとのひきかえなので仕方がない。
そして、月曜夜のクリニック駐車場で。快晴予報がこの日しかなかったので強行したが、隣の電光サインが明るすぎ。このサイン、駐車場から出るときに、昼間は視界の邪魔になるし夜は幻惑されるのでとても危ない。
《撮影データ:2023年05月23日22:24:42〜.R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,300ec,16コマコンポジット,UHC-E フィルター使用》
強行した理由がコレ。山形の板垣公一さんが5月19日に発見された、M101の超新星が明るくなっているので。市街地なので強力なUHC-Eフィルターを使用したが、もともと星雲撮影用で恒星の写りは悪くなる。光害とフィルターのダブルパンチで腕はうっすらとしか描写できなかった。もし14日にM101を撮影していれば、超新星の出現前後で画像を並べることができたのだが・・・まあ、撮れたので良しとしよう。
]]>ある日、近くの漁港へ。メバル狙いでロッドは久しぶりの3wt。近くのルアーマンが20?オーバーのメバルを1匹あげていたが、自分にはドンポが1匹だけ。このサイズではさすがに3wtでも、何か引っかかったかな・・・というレベル。坊主よりはましということで、なんとかやる気がつながった。
別の日は、樺島まで行ったが不発。ベイトは多いがフィールドも広いので、射程距離が20m程度だとなかなか難しい。というわけで川原大池に転進。池からの放水路に何か大きな魚が群れていたので、チヌかと思いキャストしてみたが、スレで背掛かりするばかりでなかなか口を使ってくれない。ようやく1匹ヒットしたが、しっかりフッキングさせようとあおったらすっぽ抜けてしまった。
その後はどこに隠れていたか、クサフグがヒットしたくらい。今回はダブルハンド6wtだったので、これも全く手応えがなかった。
そして数時間後、ようやく2匹目が口をつかってくれた。跳ねたり走ったりはしないが、とにかくトルクが強烈。ラインを持つ左手でテンションを微調整しながら、流れを横切ってなんとか手前の岸に寄せたところですっぽ抜け。ところがうまいことに、石の間に突っ込んでおとなしくなった。
これがどうみてもチヌじゃない。見れば見るほど鯉に思えてくる。引き方も鯉フライで見聞していたとおり。どうやら、前日の大雨で大池の放水路から海に流された群れが、上げ潮を利用して池にもどろうとしているのではないかと。思わぬところで予想外のターゲットに出会ったことになるが、雑魚というにはあまりにも大きすぎ。計測はできなかったが、いちおう自己ベストとしておこう。
]]>GWは、いきなり沸いてきたプランで初めての高千穂へ。土曜のうちに佐賀で用事をすませて熊本まで移動しておき、日曜朝からさっと移動して帰ってくるという計画。土曜は大雨だったが、日曜は曇りのち晴れ。水と新緑にあふれた高千穂を楽しむことができた。久々にシネマカメラをまわして、さて、どう撮ってもどこかで見たようなアングルになってしまうところをどう料理しようかと考えながら。見るべきところはあまりにも多く、日帰りではとても。またいつか再訪したいものだ。
]]>《撮影データ:2023年4月23日03:53:13〜,AT-X1120(11mmF2.8),EOS80D(ISO800,露出19sec,インターバル1s),30コマコンポジット,LPS-P2フィルター使用》
大藤神社の藤が満開という話を聞いていて、土曜の夜に久しぶりに快晴になったので、思い切って深夜に出撃した。てっきり一人だと思って現地に着いたら、佐世保の友人が待ち構えていた。この神社、雰囲気は良いが、単独行はやっぱり緊張するので、つきあってくれるのはありがたい。あれこれとアングルを変えながら、楽しく撮影できた。
もともと大藤に天の川をからめるつもりだったが、北斗が沈みそうなので先にこちらを。おがたまの大木の上にちょうど北極星が来て、良いバランスになった。
《撮影データ:2023年4月23日04:43:28〜,TokinarAT-X1120(11mmF2.8)EOS80D(ISO800,19sec,インターバル1秒),4コマコンポジット,LPS-P2フィルター使用》
固定撮影では天の川が恒星の軌跡に隠れてしまうので、短時間露光になる。撮影自体は10分ほど行ったが、花が揺れていない連続4コマを選んでコンポジット。市街地なので光害除去フィルターを使用、なんとか天の川をあぶりだすことができた。
これで星は一段落。撤収してそのまま国見峠を越え、伊万里側へ。ちょうど下りきったところの有田川に潮止めの堰があるので、そこで上げ潮を狙おうという算段。薄明るくなるころから水面にもぞもぞと波紋が動くのでフライをキャストするが、まったく反応しない。左岸からキャストしていたが、どうも右岸のほうがよさそうだったので、アクセスは悪いががんばって移動。すると魚影はほとんどボラばかりだった。いつのまにか昼前になっていたので切り上げて、近くの釣り具店でフライマテリアルを補充しようとこれも20年ぶりに立ち寄ってみると、フライは跡形もなくなっていた。
そのまま帰ろうかとも思ったが、せっかく伊万里まで来たので数年ぶりに腰岳西斜面で黒曜石採取。行動範囲をすこし広げてみると、大きい原石をいくつか確保することができた。そして、興味深かったのがこの画像。これは石核の側面から連続はく離した石刃で、旧石器時代の技術だ。腰岳の黒曜石には数種類あり、石器に適した緻密な石材は主に北斜面でとれる。ところがこの石材は西斜面には珍しく、叩くと澄んだ金属音がする。旧石器人もたぶん音を聴きながら石材を選んだのに違いない。
で、仮眠をはさんでいったん帰宅したが、フライの不発がどうにも落ち着かなかったので、夕方からまたいつもの漁港に出撃。この日はベイトが多く、ストリーマーを泳がせるとセイゴがヒットした。ダブルハンド6wtなので前回までのシングルハンド3wtほどの面白さはないが、子気味良く引いてくれる。このロッドではなかなか釣れなかったが、ようやく入魂することができた。
星からフライまで欲張った週末は、天候に恵まれたおかげで満足のいく締めくくりだった。
]]>幸い、砂浜は防風林の風裏だった。手前には人が入っていたが、先1/3ほどは貸し切り。キャストしながら端まで歩き、先端の突堤に上ったら、烈風。陸からの風だったので、追い風参考で飛距離は出たが、前回のような魚影はなかった。いつもそううまくいくわけがない。
サーフは水面が近いのはうれしいが、波があるので水際までが意外と遠い。ウェーディングができればなんとか釣りになりそうなのだが・・・また予算が必要になるな。夏になったらウェーダーなしでも立ち込めるようになるだろうが、そのときは海水浴場になるのでここでは釣れない。
防風林の反対側は遠浅の河口。こちらは波がないので水際ぎりぎりでキャス錬できるかもとうろついてみたが、堤防の降り口がみつからないし、まともに逆風になるので、この日はあきらめた。
そして神ノ浦に移動。今度は橋の反対側、左岸に入ったが、上流からの風が強くてキャストできない。そのうちにまた白鳥出現。どうやら港の隅の浮遊物の間で餌をあさっているようだ。そうこうしているうちに日没が迫ってきたので、また移動することにした。
最後は大野集落の駐車場。ちょうど小角力に光がかかって良い感じ。夕陽が雲にかくれるまで、レンズをとっかえひっかえしながら撮影を楽しむことができた
今回も釣果はなかったが、ちょうど干潮だった神ノ浦河口の底の様子がわかっただけでも収穫だろう。キャストのほうは、ほぼ安定して20mくらい出ているようだが、まだ岸と直角に投げようとすると岸をたたいてしまう。アンカーをもっと前に置けるようになりたいものだ。
]]>出発するときは雨だったが、ここまでくると予報通り降るか降らないか微妙なところ。滑らない靴は無事に見つかり、ついでにというか想定内というか、イージスの上下セットも入手した。予定外の出費が気になったが、結局はこのあとも雨が断続的に続き、買ったばかりのイージスが大活躍することになったのは幸いだった。
その足でまっすぐ漁港に移動。この日はほぼ満潮から下げ潮を狙うことになった。前回、上げ潮で大きな魚影がうろつくのを目撃していたので、最初はスイッチ#6を持ち出したが、頭上の電線が微妙に邪魔になってキャストしにくいし、スペイでは油断するとラインが岸をたたいてしまうので、早々に#3に変えて実釣にはいることにした。
まもなく最初の1尾がヒット。前回までは小さいクレイジーチャーリーを使ったが、今回はできるだけシルエットが大きいフライを使いたくて、シロウオパターンのストリーマーにした。この川にシロウオの遡上があるかどうかわからないが、ぬれると半透明に見える白のストリーマーというだけでも効果があるのだろう。下げに入ってすぐの頃はヒットに至らないまでも強いバイトがあったり、目の前のベイトの群れを50cm超のスズキが蹴散らしたりしていたが、ヒットするのはセイゴクラスばかり。潮が下がるにつれて型が小さくなったので、5尾目がヒットした3時間ほどで切り上げた。ここには通いはじめて4回目だが、潮とベイト、スズキの動きがなんとなく見えてきたような気がする。30年ほど前にはルアーをもって時々来ていたところで、その時はバイト数回だけで釣れたことはなかったが、フライだからなのか、スズキが増えたのか、とにかく『うようよ居る』というのが印象だ。
そして2度目の坂口堰。前回と同じく下げ潮の終盤らしく、ちょうど釣り人の一団が引き上げるところだった。対岸にはひとりルアーマンが入り、中央の切れ目のまわりを探っている。下げ潮なので前回同様、下流側の反流が気になったが、ワークマンの滑らない靴をもってしてもヌルヌルがヌルになったくらいで、テトラ歩きになる下流側は難しい。それに、西風が正面から吹き付けているのでたぶんキャストにならないと思われ、堰の上流側でキャス練することにした。
堰の中央近くまで行って、ロールキャスト、オーバーヘッド、シングルスペイをひと通り試してみたところ、まわりに障害物がなく、足場も水面ぎりぎりなのでとてもキャストしやすい。。追い風参考ではあるが、ロールとオーバーヘッドでは、どちらもだいたい20mほどは安定して出ているようだ。ロールなら岸と直角に出しても大丈夫なので、これならいつもの近郊の河口でもなんとかなりそうだ。オーバーヘッドもラインがロッドに乗る感覚がだいぶわかってきて、力まなくてもそこそこ飛ぶようになった。そして最後のスペイ3投ほどで、ラインが『出ていく』感覚がすこしわかったような気がする。現地滞在は40分ほどと短時間ではあったが、得るものが大きいキャス練だった。そろそろスズキの乗っ込みが始まる頃だが、なんとか形になってきたようだ。
]]>いま楽しく苦労しているのが、カニパターン。甲羅の表現にはいろんな試行錯誤があるようで、巻き糸に細かい繊維をよりつけてふんわり仕上げるウェビング、鹿毛のような太い毛を占めこんでブラシみたいにしたり、レジンで造形したり、専用のメッシュ状の素材があったり、そしてマジックテープを切り抜いて貼る、というものまであった。手持ちの素材では、バックテールの染めが入っていない部分がちょうど鹿毛みたいな太さで、締めこむとブラシ状になる。足は接着では弱かったので巻き込むことにしたが、全体のバランスをとるのが難しい。まだまだ試行錯誤の最中である。
一方、イワイミノーは巻けるようになった。20年前は芯材を入れるのを知らず、どうしても巻けなかったものだ。ボディのマイラーチューブがなかなか安定入手しにくいが、そうそう損失するものではないので大丈夫だろう。
イワイミノーをつくるときには、どうしてもマイラーチューブのあまりが出るので、サーフキャンディのボディに再利用している。こちらも損失することは少ないが、岸をたたくとどうしても眼がはずれたり、ボディをコーティングしているレジンが割れたりするので、適宜修理している。この日はクラウザーミノーが壊れたので補充した。
一部のフライのボディコートに使うレジンは、ネイル用のを百均で入手している。そして、陥入爪のワイヤー矯正で固定用のレジン硬化に使っている足用のUVライトで硬化も一発。ステンレスのトレイを敷いているので下面もばっちり硬化する。
先日の♯3実釣で、最近つくったシロウオパターンのミノーが損壊したので、少し大きなフックで巻いてみた。これならフッコやスズキクラスでも対応できそうだけど、#3には少し大きすぎるかも。。
]]>あれこれ遅くなって、現地着は15:00前。到着前から雲行きが怪しくなり、予報では40分ほどで雨になるとのこと。まずは速足で先端に到達。
画像はないが、浜の先端は大きな河口になっており、ここもスズキで有名なところ。浅瀬にはチヌがちらほら、そして下げの流れの際にできた潮目の中に、4,50?はありそうなブダイがうろついているのがよく見えたので、いちおうキャストしてみる。しかし、案の定というか、へたくそキャストの着水音を警戒して離れていった。
キャストして、数歩歩いてリトリーブ、を繰り返して戻ってきたところで、ちょうど雨が降り始めた。いそいで撤収して、ひとつとなりの神浦河口へ。
画像が回転しない・・・ここもスズキで有名で、学生時代にはよく通ったところ(釣れなかったけど・・・)。岸が高いのでキャス練にはならなかったが、シュートのタイミングの感覚をつかむのには役立ったかと。チヌのような魚影がちらりと見えたが、終盤にバイトが1回あっただけでノーヒット。対岸のほうが水際近くまで下りられるので、そのうち攻めてみようかと思う。
]]>
到着時はちょうど下げ潮がすすんだところで、沈下堰が干出して、先端にルアーマンが3,4人。本流の際を狙っているようだ。しかし、堰本体は潟と青海苔でずるずる。磯靴がないととても歩けたものではない。下流側では岸近くまで反流が複雑に入り交じっていたので、なんとか場所をみつけて水際までアプローチ。ところがテトラが邪魔でロールキャストはできず、背後は藪なのでオーバーヘッドもできない。あとからきたルアーマンが、この画像中央のテトラの上から60?オーバーのスズキをサクッと引き抜いた。やはり磯靴が必要かな・・・
そして別の日は、チヌで有名な近郊の河口まで。ここは岸際が澪筋になっていて、中央の浅瀬までは最短20m。浅瀬に届けばなんとか釣りになりそうなところ。しかし、背後の擁壁が邪魔でやはりオーバーヘッドキャストは無理。スペイではまだ距離が出ないので、斜め方向に澪筋の中央までが良いところ。夏場には手前に見えチヌがいるはずだけど、たぶん釣りにはならないだろう。まだまだ修行が必要だ。
しばらくキャストしていると、大量のクラゲが流れてきた。アンドンクラゲにしては早いかな?と思ったが、どうも脚の数が多い。しらべてみると、どうやらカミクラゲのようだ。
このところ、キャス練ばかりで釣れないので、とある漁港へ。ここもスズキで有名なところで、学生時代にはよく通っていた。以前はロープの間からルアーを投げていたような場所だったが、港の改修後はなんとかフライが振れるようなポイントが増えた。そこの街灯の下にセイゴがたまっているのを、昨年11月に毛鉤活動を再開したときにみつけていたので、釣れなくて寂しくなると時々通っている。この日は最初に豆アラカブが相手をしてくれたが、#3タックルに対してもこの大きさでは、まるで牡蠣殻でもひっかけたような(実際そう思った)感触だった。
その後はセイゴが3尾ほど相手をしてくれた。昨年と比べると、すこしサイズアップしているようだ。そのあと、上げ潮になったら4,50?はありそうな影がうろついていたが、見向きもされず。しかし、確実に釣れる近場があるのはありがたい。#3の実釣と、♯6のキャス練、そしてタイイングと、海毛鉤活動もようやくバランスがとれてきたようだ。
]]>場所は大村湾の、とある河口。チヌとシーバスで有名なところだが、バックスペースは全くとれないところ。
まだ岸から直角にキャストすることができないので、周期的に上がり下がりする潮の下流側に斜めにキャストしてみる。ロッドはスイッチ11ft#6、ダブルハンドに慣れていないのでまだうまくシュートできないが、これまでよりずっと楽に飛ぶ。20mほどは出ているようだ。欲が出て、すこしでも、直角に近づけて・・・となると、岸をたたいたり、背後の藪に引っかかったり。1時間ほどのうちに根がかり1,岸をたたいて損壊2で、日が沈んだこともあって街灯がある別の河口に移動したが、そこでも根がかりと岸をたたいて3個ほどロストした。後者の場所ではほかにも釣り人がいて、以前愛知のほうでフライをされていたという方が物珍しそうに話しかけられてこられたり、先日80?のランカーシーバスをあげたというルアーマンがいたり。
帰宅後は、さっそく損壊したフライの補充をば。クラウザーミノーとサーフキャンディを2本ずつと、練習にスカッド(ヨコエビ)パターンを2本。材料が不足していて、イワイミノーを巻けないのが苦しいところ。代用できる材料をなんとか入手しようと思う。
今回は、どうやらいまのラインシステムできちんとキャストできそうだと確認できたのが収穫だった。スイッチロッドでしか試していないが、もう1本のシングルハンド9ft#8でどうなるか気になるところ。シュートの動作はシングルハンドのほうが慣れているので、そちらのほうが巧く扱えるかもしれない。しばらくは大寒波で動けないが、天候が好転したらまたコソ練再開してみよう。
]]>ロッドの番手とラインの関係がわけわからなくなったので、調べてみた。すると、シングルハンドとダブルハンドでは同じ番手でも適合するライン重量が異なるということがわかってきた。たとえば#6では、シングルハンドなら300グレイン、ダブルハンドなら350〜450グレインあたりらしい。そしてどうやら、スイッチロッドの番手はダブルハンドにあわせてあるらしい。また、ラインの太い部分は、ロッド長の2.5〜3倍ほど必要なようだ。どうりで20ftではすっぽ抜けるはずだ。そこで30ft弱で350〜400グレインくらいのラインを探してみるのだが、熱帯雨林にも仮想武器市場(やふおく)にも、そしてe-bayにも見つからない。かくなる上は、e-bayでDT#10あたりのラインを入手して切ってみようかとも思い、DT#12を切る動画を見に行ったところ・・・DT#12を切って、7mで310グレインというラインにしたあとに、WT#7のラインを先につなげるというくだりがあった。おやおや?フライラインの先はリーダーではないのかな?
で、調べてみると、スカジットの場合は、太いシューティングヘッドとリーダーの間に、トラウトリーダーまたはトラウトティップという中くらいの太さのテーパーラインを挟むことがわかった。シューティングヘッドとトラウトリーダーのそれぞれに、フローティングとインターミディエイト、シンキングのラインがあり、組み合わせることで幅広い水深を探ることができるという。なるほど、これでシューティングヘッドが極端に短いのも理解できた。というわけで、さっそく7.5ft25グレイン、インターミディエイトのトラウトリーダーを調達して、それがちょうど届いたところだ。
これを手持ちのシューティングヘッドにあわせると、27.5ftで375グレインというラインになる。ヘッドはフローティング、リーダー・ティペットは水切れがよいフロロカーボンを太中細の3段階つないでいるので、水面直下〜中層を攻めることができそうだ。長さはダブルハンドでいくならスイッチ11ft#6ロッドの2.5倍、シングルハンドなら9ft#8の約3倍。今度こそ飛んでくれるのではなかろうか・・・と勝手に期待している。はたして沼を抜け出すことができるだろうか・・・
]]>ところが、Youtubeで見ていると、スペイラインだとかスカジットライン、さらにDT#12のラインを切って#7のスカジットラインを自作したりとか、聞いたこともないラインが出てきたり、番手もめちゃくちゃ。どうやらロッドの番手より1,2番手重いラインを選ぶとよいらしい・・・となったが、熱帯雨林では#8に合いそうなラインはほぼ品切れ。かろうじて、スペイ用と思われるシューティングヘッド(ST)#8というのを見つけて入手した。#8ではあるが、WFよりも遠投向きなのでなんとかなるだろうという見当だった。
で、いざ振ってみると、これがまたがっかりするほど飛ばない。20年のブランクで、基本のオーバーヘッドキャストすら忘れている。数回出撃してみてすこし思い出してきたが、そうなるとスペイ系のキャストには軽すぎるということがわかってきて、また熱帯雨林を徘徊した。
次に見つけたのは、スカジットライン。先のDT#12を切ってつくるのが#7、8用のスカジットラインで重さが310グレインとのこと。お、グレインって何?どうやら重さの単位で、ST#8では240グレインしかなかったようだ。それなら重いラインがよかろう、というので熱帯雨林でスカジットラインを漁ってみる。こちらではラインは番手ではなく重さであわせるようで、#6に300グレインのラインをつけてちょうどよかったというレビューがあったので、ちょっと重くして350グレインにした。そして今度は飛ぶかな・・・と出撃。
結果は、すこしだけ飛ぶようになった。飛距離15〜18mくらいかな・・・20mには届かない。せめてルアーの頃とおなじ30m程度は出せるようになりたいのだけど。そしてあれこれ試しているうちに、片手で振るシングルハンドの#8がいまの腕力には重すぎるかもというところで20年のブランクを痛感した。ここから泥沼の様相を呈してくる。
現在の大物用のロッドはシングルハンドの9ft#8。もっと楽に飛ばせるダブルハンドのロッドも存在するが、#9とか#10以上とか、超大物用ばかり。ところが、スイッチロッドといって片手でも両手でも振れるロッドがあるというのがわかってきた。これも最近は安価な中華ロッドがあるという。そこでスイッチ11ft#6というのを入手した。今度こそ飛ぶかな・・・とワクワクしながら出撃。
しかし世の中そう巧くいくものではない。SW11ft#6にST#8を合わせると、2番手違うのに軽くて飛ばない。そしてスカジット350グレインは長さが20ftしかないので短すぎ、フライが水面からすっぽ抜けてうまくコントロールできない。ロッドの次はラインで泥沼にはまるのか・・・
]]>長崎に帰ってきてからもしばらくはあちこちでロッドを振ってみたが、それまでとは全く勝手が違った。というのも、当時のキャスティングはオーバーヘッドが主流。ロッドを前後に振るので背後に20mほどひらけた空間が必要になる。大淀川やサンゴ礁ではまったく問題なかったが長崎の釣り場では後ろに障害物がないところはめったにない。ひっかけてばかりで全く釣りにならず、忙しくなったこともあり、いつのまにかしまい込んでいたのだった。
復活を考えるようになったのは、2,3年前にYoutubeでフライの動画を見てから。スペイキャストとか、スカジット、アンダーハンドキャストなど、見たことがないキャストでバックスペースがほとんどなくてもフライがかっ飛んでいく。これなら地元の釣り場でもなんとかなりそうだと思った次第。さいわい、いちばん高価なロッドは小物用の#3と大物用の#8が健在。リールは#3がそのまま使えそうだが、#8はすっかり腐食していた。これは幸いなことに、最近は熱帯雨林で安価な中華リールが出回っており、中華リールのうちではやや高価だったが、ソルトウォーター用の完全防水ドラッグのものが見つかった。
あとはフライタイイング用の道具と材料。道具は一式持っていて、材料もだいたいそろっている。当地ではいちばん近いフライ用品店は伊万里までいかないといけないが、いまは熱帯雨林で調達できるのと、けっこうダイソーで代用できるものがあるので困らない。そこで、昨年の秋にリールとラインを熱帯雨林で調達して、晴れてソルトウォーターフライ復活となったわけだが、苦労したのはラインだった。
]]>あれこれの用事が終わって、22:30頃に晴れているのを確認してから設営。向かいのスーパーの看板や隣の看板屋さんのサインは23:00に消灯する。今回も設営している間に直射光はなくなったが、市街地なので空は明るい。画像はシリウスでオートガイドのキャリブレーションをしているところだが、このあとオリオンに向けて馬頭星雲を撮影した。
<撮影データ:2022年2月23日23:26:40〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,3min,4コマコンポジット,QuadBandPath IIフィルター使用>
撮影開始が遅かったので4コマしか撮影できず、ひとコマごとに背景レベルが上がっていくありさま。それでもQBPフィルターのおかげでカラー画像を得ることができた。そして今回は、スカイフラットをやめてみた。QBPフィルターをつけたままでフード先端にフラットパネルを装着、レントゲン用のモノクロモニターを撮影、前半用と後半用に露出をかえて2種類のフラットフレームを作製した。おかげで色調補正も上々、4コマコンポジットなのでトーンが荒れているが、一連の画像処理手順を確認することができた。
ここで、新旧2枚の馬頭星雲を並べてみよう。右はひとつ前のエントリーで載せた、1月2日撮影のもの。同じISO1600,3minの6枚コンポジットだが、フィルターがHEUIB-IIなので雰囲気はだいぶ違う。新しい画像では馬頭に刺さっていた回折光が消えたかわりに、アルニタクの周囲に十字形の影ができている。不自然ではあるが、思っていたより気にならないので、しばらくこのまま運用してみようかと思っている。
]]>ここでは回折光の他にも、燃える樹星雲の上側に、2インチフィルターで発生したアルニタクのゴースト、そして左端にシュミット補正板で発生した同じくアルニタクのゴースト、右下には何かの内面反射で生じた数珠状のゴーストと、悪霊どもが跳梁跋扈している。極太スパイダーマスクを作って回折光を短くしないと・・・と思っていたら、たまたま覗いたtwitterに漂っていた図面を拾い上げた。
それはスパイダーの回折光を(たぶん)干渉させるためのもので、なかなか面白そう。なんとか作図法を割り出して、黒ボール紙で作ってみたが、中央部にくびれがあってどうも切り出しにくい。そこで、黒画用紙で半分ずつ作って、スパイダーに両面テープで貼り付けることにした。
切り出したら折り目をつけて、両面テープを仕込んで・・・
完成。左下のがすこしずれているが、試写で問題があれば修正しよう。
そして2月の上弦の晩に、前日に届いたQuadBPフィルター(ポチリヌス菌感染症がぶり返したようで)のテストも兼ねて、白木峰へ。到着後しばらくして、ten.さんや星景を撮影される佐賀のご夫婦も現れ、明け方まで喫茶ten.に入り浸ることになった。
<撮影データ:2022年2月11日02:31:02〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,5min,16コマコンポジット,QuadBandPath IIフィルター使用>
あてにしていた冬の赤い星雲は、月が近くてすべて撃沈。写りが悪くなるのを承知でM109を狙ってみた。これは縦構図の下2/3をトリミングしたもので、下端にNGC3953も入っているが、f.l.=430mmではさすがに小さくしか写らない。あと、QBPフィルターは思っていたより青が強く、PhotoshopでのRAW現像時には色温度の補正範囲を越えてしまった。色温度については何らかの対策が必要だろう。
本題に戻ると、スパイダーマスクの効果は絶大だった。M109のそばにはおおぐま座γ星があるのだが、回折光が全く出ていないばかりか、効き過ぎて?スパイダーの影ができるほどだ。右端にシュミット補正板でできたゴーストがあるが、これはいずれ補正板を傾けるなどして写野の外に追いだしてみたいと思っている。満月をはさんで下弦を過ぎる頃には、シーズンオフにならないうちに馬頭星雲を撮ってマスクの効果を確かめたいところだ。
ところで今回、想定外だったことがひとつ。iPhoneの保護に装着していたエアジャケットの傷が目立ってきたので、1月6日にdeffのCLEAVEに交換した。iPhone12mini用にはアルミのものしかなく、WiFi電波の受信が多少悪くなるのは想定していたつもり・・・だったが、白木峰では4Gを拾ったり、拾わなかったり。これまで普通に繋がっていたので、これは全くの想定外だった。ネジやレバーがない装着機構や、手に馴染む局面には大いに満足しているので、しばらくはこのまま使ってみるが、あまりに受信感度が悪いようだと交換も検討しないといけないだろう。
]]>まずは遮光環の切り出し。黒ボール紙と薄手の黒段ボールから、13枚ほど切り出した。
次は塗装。段ボールの遮光環と、内壁にする片段ボールに、前回の工作で余っていた黒板塗料をスプレー。多少ガス圧が落ちていたがなんとか塗ることができた。ところが屋外では風が強くて飛ばされてしまう。仕方なしに生乾きで室内に取り込んだら、溶剤がきつくて死にそうになった。窓全開で風が抜ける経路を確保してなんとか対処。
現物合わせで取り付け部のリングを作製。テープ状に切った片段ボールを両面テープで積層、ボール紙の表層をつけてリングにした。
ここからは、黒塗りした片段ボールを1cm幅のテープ状にして、遮光環と交互に積層していく。外面は両面テープでベタベタ。横方向の剛性は低いが、この段階では構わない。遮光環の内寸とフードの長さは、旧フードとほぼ同じにした。
外壁の取り付け。片段ボールを2重に撒いたら横方向の剛性も良くなった。旧フードは環状に切り出した段ボールをひたすら積層していたが、壁が薄くなったぶん外径はスリムになった。
そして、保冷袋の余り(カメラの冷却改造試作で使っていた)を切り開いて、フードに巻き付け。旧フードと同じように、両端はこのように切り込みを入れてから折り返して処理した。
完成、先端はアルミシートが内側までかかっているが、この程度なら特に問題はなさそうだ。フラット撮影時には、この先端にアクリルパネルがすっぽり嵌まることになる。内面には、補正板セルにあてるストッパーを設けたので、フードが斜めになることもないだろう。このあと、上弦の出撃で実戦投入して、守備は上々だった。
]]>実際にはシネマレンズといっても、16mm規格なのでもっぱら報道用に使われることが多かったようだ。手ぶれ補正なんて軟弱なものはついていないので、よくぶれる。一脚も三脚もあったのだが、今回もついつい無精して手持ちでやってしまった。これにミラー望遠の1000mmあたりをつけるとほどよく寄れそうに思えるが、どうだろう。もっとも、昼間だとシーイングが乱れてひどいことになりそうではある。
]]>それらしい場所にいきなり接近するのもはばかられるので、まずは少し離れたところに車をおいて、徒歩で偵察。すると、意外とあっさり頭上に群れているのが見つかった。どこかに降りないかとしばらく見ていたが、ずっと南の方に離れていった。
それから宿営場所といわれているあたりに移動したが、どうも見当たらない。内部堤防の先端までいっても、どこにもいない。かわりに調整池の葦原の中に、かなりの数の鳥がいる。おびただしい鴨類と、なんだか大きい白いの。居合わせた鳥屋さんのフィールドスコープを覗かせていただいたところ、なんとオオハクチョウ。九州でオオハクチョウが渡ってくるところは珍しいのだそうだ。そこで、鶴がいるかもしれない場所を教わって移動しようとしたら、背後の田圃の中に3羽だけ鶴がおりていた。
レンズは300mm望遠だが、遠すぎてこの画像もかなりトリミングしている。最低でも1000mmくらいは欲しくなるところだが、たぶん鳥を撮ることはほとんどないだろうから、妄想だけにとどめておいたほうがよさそう。
中央干拓に戻って、昼食をとってから移動することにした。この日のメニューは、朝から水漬けしておいたパスタにアサリの水煮缶と舞茸をあわせて、トマトジュースで煮汁なしに仕上げた。熱源のアルストはブースター付クローズドジェットで、風は強かったが風防五徳が良い仕事をしてくれた。水漬け煮汁なしは、カップ麺並みに調理時間が短いのが利点。水漬けで携帯できる容器があれば、山でつくるのも良さそうだけど、良い容器が見つからず困っている。
昼食後は別の干拓へ。到着後しばらくして鶴の鳴き声がしたので見回していると、また頭上に大群が。降りないかと見ていたら、午前中に見ていたあたりに降下していった。かなり沖よりで、午前の場所に移動しても遠くにしか見えないだろうということで、鶴を近くで見ることは叶わなかった。
そろそろ引き揚げるか・・・と考えていたら、いきなり近くにオオハクチョウが飛んできて、目の前で着水。一部始終はシネマカメラを回していたので、後ほど。干拓後に狩猟ができなくなり、鴨が増えたとはきいていたが、いつのまにかとんでもなく渡り鳥の楽園になってしまったようだ。
こうなると、やはり鳥撮り用の超望遠が欲しくなる。できれば35mm換算で1500〜2000mm。友人は高倍率ズームのコンデジを持ってきていたが、中古でもかなり高額なのでそういったものには手が出ないし、カメラをこれ以上増やすのも躊躇われる。高画質で小さいフォーマットのカメラ・・・となると、現有装備ではμ4/3かシネマカメラになる。フルサイズ換算倍率は、それぞれ2倍と2.88倍。どちらもμ4/3マウントなので、中古で800mmくらいのミラーレンズがあればなんとかなりそうだ。いやいや、物欲大佐はしばらく放っておいたほうが良い。といいながら、ネットでちらちらと検索をかけてみたりしている。ああ、恐ろしい。
]]><撮影データ:2021年12月23日13:23:18〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,15sec,17コマコンポジット,AstroLPR-2フィルター使用>
で、撮れたのがコレ。他に30秒、20秒露光でも撮ってみたが、徐々に市街光にしずんでいくのでこれ以上の尾は描出できなかった。前2回のバーストはどちらも長続きせず、翌日増光、翌々日には平常光度というものだったので仕方ないだろう。翌24日にもバーストして、その後は長いイオンテールが出ているようだが、天候が悪いのでどうしようもない。それでも2度と見られないと思っていたところを再会することができただけでも良しとしよう。
その後は先日からのHαもどき撮影の検証作業。赤が主体で、できるだけ淡い対象をということで、カシオペア近くのSH2-157、通称『くわがた星雲』を狙うことにした。
<撮影データ:2021年12月23日20:08:44〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO3200,3min,9コマコンポジット,HEUIB-II+R-2フィルター使用>
いざ導入してみると、意外と写野が広くて、近隣のシャボン玉星雲まで入れてちょうどバランスがとれた。16コマ撮影で、10コマ目あたりから下弦前の月が出てきたが、みているうちに背景レベルが上がってくるのに気付いた。いくらR-2で絞っているとはいえ、純粋なナローバンドではないので月明の影響を排除できないようだ。結局は最初の9コマだけを使って画像処理することにした。
処理の過程で気付いたことがいくつかある。まずは、白黒化の方法。撮影時はカラーなので、当然ながら画像は真っ赤である。そのままraw現像してコンポジット、白黒化してから輝度マスクで暗部を持ち上げることにしたが、直接グレーモードに変換すると、真っ暗なG,Bチャンネルに引きずられて画像が真っ暗になってしまうので、RチャンネルをG,Bにペーストしたら良い具合になった。
次に気になったのが、Rチャンネルの画素数。ベイヤー配列では、チャンネルごとの画素数はR:G:B=1:2:1になっており、分解能は縦横半分ずつしかない。撮影時にディザリングをかけているので、うまくすればハイレゾ撮影のように画素の粗さを補完できるかも・・・それでもRチャンネルをコピペしたことで帳消しになっていないか・・・ということだった。
そこで比較してみたのがコレ。左から、白黒化前の1枚画像、9枚コンポジット、そして9枚コンポジットを白黒化したもの。ディザリングによって解像度が補間され、白黒化の後もその解像度が引き継がれているようだ。解像度については、とりあえず心配しなくてもよさそうだ。
あとは月明の影響。あれこれと調べてみると、入手できないと思っていたR-64は、サイトロンIR640としてまだ入手できることが判明した。ただ、R-2をIR640にすれば改善するのか、それともHEUIB-IIのHα透過幅が広すぎて、DuoBandかQuadBandが必要なのか、Duo/QuadBandならR-2で白黒化しなくても良い。または彗星対策も兼ねてCometBandにしておいて、月明やHαのときはR-2で白黒化するか・・・いろんなパターンが想像されて、物欲大佐が激しく動揺している。この嵐、しばらくはやみそうにない。
]]>ところで、YouTubeのライブには、およそ30秒ほどの遅延がある。残り1分を切って南の空を見張っていると、明るい光点が目に留まった。あれかな、と双眼鏡を向けてみると、動いているような、いないような・・・以前のH-IIBとは動きが違うが、あれはISS行き、今回は静止トランスファー軌道行きなので不思議ではない。それにしても動きが遅いな・・・いや、電柱との位置関係が変わってない・・・これはいくらなんでもおかしい。
で、カメラを確認したのがコレ。画像を見でしばらくは、がっかりするやらおかしいやら・・・市街地なので露出過多にならないよう、適当に3枚撮影したうち、最初の2枚を比較明合成している。双眼鏡で見ていたのは、右の電柱のむこうに見えているカノープスで、H-IIAはずっと左の方から上がっていた。
双眼鏡を注視していたので気付くはずもなく、肉眼での見送りは果たせなかったが、ひと目みたら長生きできるといわれるカノープス、これまでになくじっくり眺めたので、寿命がかなり延びたに違いない。でもH-IIIのときは間違えないようにしよう。
]]>そこであれこれ調べてみると、なんとR64は数年前に生産終了しているということがわかった。というより、白黒用フィルターは軒並み壊滅状態。デジカメのモノクロでも擬似的にフィルター効果は出せるので、当たり前といえばそれまでだが・・・そんな中、赤系フィルターで唯一生き残っていたのがMARUMIのMC R-2だった。ヨドバシで900円台まで値下がりしているのを、更にポイントを使って無料撃墜という鬼みたいな所業をはたらいた。
R-2の透過曲線を調べてみたが、直接該当するものはなく、ただR62と同等、と書いてあるBLOGを見付けただけ。その記事ではまさにHEUIB-IIとR-2の組み合わせで赤い星雲を撮影したものだったし、R62なら600nmから透過しはじめ、640nmあたりから長波長側は素通し。ちょうどHEUIB-IIのHα透過曲線の短波長側とほぼ一致する。あとはゴースト対策のため2インチチューブの先にフィルター枠を傾けて装着しているので、2枚重ねでドローチューブに通るかというのが課題だった。
<撮影データ:2021年12月05日05:30:57〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO3200,3min,2コマコンポジット,HEUIB-II+R-2フィルター使用>
先週末にふたつの彗星をハシゴしたあと、フラットを撮っても薄明まですこし時間があったので、HEUIB-II+R-2の検証作業をすることにした。東西長辺でHα、手動でも導入しやすいといえは、双子座の足元にあるクラゲ星雲。さっと導入して写野内の輝星でピント合わせ。ISO1600,3minで撮影したら、背景のレベルはヒストグラムの1/6あたりで、星雲の写りも通常撮影と変わらない。ここは露出を増やすべきところだが、ノータッチ追尾ということもあり、露出時間は3minのままでISO3200にあげてみた。ベイヤー配列ではRの画素数は1/4なので、ISOをあげても荒れないだろうと踏んだ予想は大当たり。いつもは苦労するクラゲの脚は鮮明に、傘から頭上にもやもやと立ち上る湯気のようなガスも捉えることができた。きちんとディザリングをかけながら枚数を増やしたら、なかなか面白いことになりそうだ。
]]>用事を済ませて夜半前に現地着。すでにten.さんとU木さんが布陣しており、適当にその辺に設営。まもなくT原さんと、深夜にK野さんが到着してプチスタパーの様相となった。それぞれフローライト屈折で贅沢な観望に徹したり、直焦+デジカメのお手軽撮影から、PCを展開してのがっつり本格撮影までスタイルは様々。自分はといえば、例によって魔改造機材でごそごそと。まずは蟹座の北側に居る67Pチュリュモフ=ゲラシメンコ彗星を狙ってみた。
<撮影データ:2021年12月05日01:52:41〜02:43:12,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,3min,16コマコンポジット,HEUIB-IIフィルター使用>
ひと月前に比べてずいぶんしっかりした像になっており、ペンシルボーグで核ガイドができる。移動量は小さく恒星時追尾でもよさそうだが、レナード彗星の練習も兼ねて。ダストテールの開き具合が前回とは異なっており、1月中まで明るく見えているはずなので、更に変化を追うことができるだろう。
そのうちに、C/2021A1レナード彗星が上がってきたので目標変更。合計で20枚以上は撮影したが、途中で尾の写り具合をみての構図変更や、核ガイドしているはずなのに彗星の位置がずれた(背景の恒星に対して変な位置に写っている)などあり、12枚しか使えなかった。
酷いのは画像のように飛行機が横切って、翼端灯が見事に核を貫いている。デリー発羽田行きANA、良い仕事をしているなぁ・・・
<撮影データ:2021年12月05日03:55:43〜04:33:37,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,3min,12コマコンポジット,HEUIB-IIフィルター使用>
恒星が切れぎれになったけど、一応の成果。フラットがきれいに合っていなかったようで、尾の末端を焙り出そうとしたら斜鏡の影が浮かび上がってきた。古いステライメージで修正しようとしたが、何故か開くことができず、フォトショップのグラデーション処理でなんとかここまでは抑えることができた。今週末には地球に最接近するので狙ってみたいのだが、AstroGPVでは望み薄。その後、西空にまわったら見る機会もなさそうなので、昨年のネオワイズ同様、一期一会になるかもしれない。
]]>
到着後1時間ほどで順調に撮影に入ったが、ここでまず一つ目のトラブル。ディザリングをしない。というか、あっという間にディザリングが終わってしまう。3分露出を2コマ撮影したところで確認すると、ディザリングの修正が行われていない様子。これはPHDのガイドボタン押し忘れという単純ミスだった。ところがガイドボタンを押してもグラフが動かないので、PHDを再起動。キャリブレーション、パラメータ設定に数分。気を取り直してガイド開始して3,4コマ目。赤経方向にすこし流れている。オートガイドしないほうが結果が良いのか・・・ひとコマずつ確認しながら、複雑な気分で撮影を進める。BackyardEOSが表示している撮影終了時刻は23:50頃。このあたりでふたつ目の対象選定を諦めたが、まだまだ余裕。
ところが23:00頃になって、露出中にいきなりディザリングがはじまってしまった。それから数秒おきにディザリングとガイドを繰り返し・・・らちがあかないので露出中断。PHDを再起動したところで、いきなりのブルースクリーン。山の中で、これは見たくない。そこからなんとか通常起動できた。スタパー前の撮影で、データが壊れたのはこれの予兆だったのかもしれない。念のために撮影済みのデータをすべて消して、最初からやり直し。こんどはガイドも安定して、24:30頃までに18コマ撮影することができた。
月出まで時間がないので、ここから3分8コマのフラット撮影。無事に撮り終えて、ダーク撮影の準備をしていると月が上ってきた。まったく危ないところだった。あとは放置できるので、メスティンでイカシュウマイを蒸し、機材撤収とほぼ同時にダーク撮影終了。25:30頃に無事に帰途についた。
<撮影データ:2021年11月29日23:14:48〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,3min,18コマコンポジット,HEUIB-IIフィルター使用>
幸いデータの破損もなく、画像処理してみたら、前回とはだいぶ違う雰囲気に仕上がった。フィルターの透過曲線の違いで、HEUIB-IIのほうが連続光をよく拾う。Hαの勾玉体部をほぼ同じレベルに揃えたら微光星が煩く、勾玉頭部の階調も飽和してしまうので、頭部の階調優先で処理してみた。また、輝星を縁取る円形のゴーストが出ないのは、フィルター内部での反射の少なさを反映しているのだろう。春のスタパーのとき、M20北側の青い星雲がほとんど写らなかったのも、UHC-Eフィルターの特性によるものらしい。春になったらまた撮影してみないと。
ところで、今回は新調した電源装置の本格運用初回だった。3時間でおよそ20%使用、これならひと晩余裕で保ちそうだ。最初、バッテリーモニターを安価な電圧計にするかで迷ったが、開始時点での電圧は13.4Vだったので、電圧では正確な残量はわかりにくいと思われる。すこし値は張ったが、こちらにしてよかったと思う。
]]>
そしてようやく光軸に目処が立ったところで、秋のスターパーティー。21時頃から晴れてくる予報だったが、宵のうちはまだまだ雲ばかり。用事を済ませて夜半過ぎに現地到着してみると、快晴でめずらしく透明度も良好。アイリス星雲は北西に傾いていたので、ぎょしゃ座の勾玉星雲を狙うことにした。
<撮影データ:2021年11月7日02:28〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,3min,18コマコンポジット,UHC-Eフィルター使用>
自動導入が明後日の方向に走るので、カーソルをみながらハンドセットでの導入になったが、ガイドは安定していて、当初24コマ撮影予定だったが18コマで切り上げた。フラットとダークは8枚ずつ。いつも通りにRAP2でダークとフラットを補正してPhotoshopCS6で現像とコンポジット、輝度マスク+レベル補正で暗部を焙り出し、チャンネル減算マスク+トーンカーブで赤と青を強調している。たびたびゴーストに悩まされる鏡筒だが、残存収差のおかげで輝星の色が綺麗に出るのは気に入っているところだ。
<撮影データ:2021年11月7日04:17〜04:51,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,3min,8コマコンポジット,HEUIB-IIフィルター使用>
薄明まで中途半端に時間が余ったので、ふと思い出して67Pチュリュモフ=ゲラシメンコ彗星を狙ってみた。当夜9.3等と小粒だが、淡い緑色のハロとしっかりしたダストテールをもっている。1月頃まで9等級で見えているようで、これから明るくなってくるC/2021A1レナード彗星とあわせてしばらく楽しめそうだ。
ところで、この2枚の画像、同じ夜に同条件で撮影したのに、勾玉星雲のほうは背景がすこし緑に被っていて、どうにも修正できない。まるで銀塩時代のコダックのようだ。船長っさんが画像を解析してくださり、緑被りではなく背景の赤成分が少ないということだったが、さきほどようやく原因らしきものに思い当たった。
当夜の撮影手順は、勾玉星雲(長辺南北)→67P(長辺東西)→67Pのフラット→勾玉のフラット→ダーク(共通)だったが、薄明が始まりそうだったので、勾玉のフラットもHEUIB-IIのままで撮影したのだった。両フィルターの赤成分の透過量の違いで赤を引きすぎてしまったのが原因かもしれない。これはもういちどリベンジして確かめるしかないだろう。
]]>初めはバッテリー単体と充電器だけで運用しようと思ったが、バッテリーが高価なので、過放電になったりした場合の損害が大きくなる。というわけで、バッテリーモニターもつけることにした。こうなると、何か適当な函を見繕って電源装置を組みたくなってしまう。釣具屋で適当な内寸のクーラーボックスを探したら、幸いいちばん安いものになった。ネットでも同等品はあるが、内寸表記がなくて見合わせていたものだ。さっそく蓋に穴をあけてモニターを組み込む。
バッテリーはBMSに定評があるAmpereTimeの12V50Ahで、クーラーボックスは14L。バッテリーの配送箱に入っていた緩衝材をすこし削ってぴったりだった。左側の空いたスペースにモニターのサンプリングモジュールをつけた。ごつい銅のブロックで、500A対応。どやらモニターは太陽光モジュールに使うようなものらしい。電圧だけでなく、残容量と消費電力、充電時の残り時間まで表示できるもので、電圧計と比べると高価だったが、バッテリーの管理は容易になるだろう。
配線は外れないようにすべて丸形端子にして、ハンダ接合部は熱収縮チューブで保護しているが、出力用のアクセサリーソケットは消耗品になるのでギボシ端子で接続した。ここから先の配線に10Aのヒューズが入るが、あとで念のためにバッテリーの+極からの出力線のギボシに、10Aヒューズとメインスイッチを挟み込んでいる。
外観はすっきり。これで重量は7kgほど。鉛シールドの36Ah/11kgと比べても大幅な性能向上だ。いつもの半夜程度の使用ではまだまだ余裕たっぷりで、ひと晩の使用にも耐えそうだ。半夜2回の出撃と、インバーターを半日動かしてのPC作業でようやく使い切り、BMSのシャットオフ電圧は10Vのようだが、余裕をもって11Vで残量無しにセットした。充電器が5Aなので、そこから10時間かかって満充電。しっかり50Ah入ったところで満タンセット。あとは電圧低下アラームと残量アラームをセットして、初期運用を終えたところだ。夜間はモニターの照明が眩しすぎたりと、細かい改善は必要だが、次の新月期からいよいよ本格運用だ。
]]><2021年6月30日12:57:43撮影>
<2021年7月26日13:25:48撮影>
<2021年9月8日13:07:23撮影>
太陽活動は、南北両半球ともに活動領域が増えてきて、時折フレアも起きているが、それにはまだ巡り会えずにいる。ブロッキングフォルターの劣化が進んできて、どうにもまともな画像が撮れなくなってきたので、梅雨の間にと独テレスコップからブロッキングフィルターを購入した。どうやら2Fの保管場所の湿度が悪かったらしいということで、毎回外してレンズを補完している乾燥剤入りコンテナに片付けるようにしている。
ブロッキングフィルターが変わって像が明るくなったので、撮影条件を見直すことにした。プロミネンス画像は1/15secから1/60secへ、これで彩層面も同時に撮影できるのだが、彩層面は1/500secで撮ったほうが解像度が良い。たぶんシーイングの影響だろう。画像処理後に位置合わせが必要になるが、ここは従来通りにプロミネンスと彩層を別撮りすることにした。
次の課題はHα波長域に入る写野の狭さ。6月30日の画像のように、たまにほぼ全域が入ることもあるが、7月26日の画像のようにくっきり写るのは中央1/3ほど。そこで、9月8日からはモニター上で彩層面を直径の1/3ずつずらして合成するようにした。これまでもカメラのダスト対策で、中央と上、左下、右下の4組撮影していたのが、3組になったのですこし楽になった。画像のコントラストが上がったせいか、ダストはあまり目立たなくなったので問題はない。当分の間はこの手法でよさそうだ。
]]>そんな調子で星見活動は低調。8月末にすこしだけ撮影したのと、あとはR-130SSの光軸調整で迷宮に入り、なんとか目処がたったところで秋のスタパーになった。その間の画像など。
《撮影データ:2021年8月29日22:31〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(簡易冷却),ISO1600,3min,8コマコンポジット,UHC-Eフィルター使用》
ようやく晴れた週末は用事があって身動きできず、日曜夜に白木峰に短時間出撃。月出までの間に撮影しようとしたが、ブランクが長かったせいであれこれ手間取り、到着から撮影開始まで2時間近くかかってしまった。月出までは40分ほど。急いでライトフレーム8コマとフラット4コマ撮れたところで時間切れ。ダークを撮影していったん撤収準備にかかった。
4月の撮影時、鏡筒バンドが緩んでスパイダーの固定ナットに接触していたので、それを手直ししていたのだが、光軸の調整不足で片ボケになっている。ここでは対象が小さいので、片ボケが目立たぬよう中央部だけ切り出した。これまで数回撮影しているが、なかなか万全の構えで撮れないところがもどかしい。それでも冷却の甲斐あってか、外殻から両側にはみ出したような部分もはっきり撮れて、一応これまでで最良の写りである。もっと枚数を重ねたら、最外周のケバケバまで見えてくるだろうか・・・
《撮影データ:2021年8月29日23:43:36〜,Orion25cmF4.8,TeleVuePowerMate5x,SV-305SJ,1/60sec2800フレームコンポジット》
月出後は風が強かったので帰ろうかとも思ったのだが、せっかく25cmを持ってきたので換装してみた。風で揺れるが、幸い大崩れはなさそうだったので撮ってみることにした。翌日の仕事にひびかないよう手早く撮影したが、コマ数を稼げなかったので処理もこれが限界。南温帯縞には大赤斑が、そして北赤道縞にはバージがあってまあままの写りだった。このあとは秋の気圧配置になってしまったので、今年の惑星はこれでおしまいかと。準備不足のままで、来年の火星を迎え撃つことになりそう。
]]>この時間からなら撮れても1対象。M20をまともに撮ったことがなかったので狙ってみたら、どうやらM8も同時に入りそう。というわけで、M8M20を一網打尽にすることにした。
撮影データ:2021年4月18日03:32:05〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(冷却なし),ISO1600,3min,11コマコンポジット,UHC-Eフィルター使用
強風のためガイドの歩留まりが悪く、22コマ撮影したが、基準を甘くしても11コマしか使えなかった。フラットは幸いピタリと合って、軽くグラデーション補正を追加するだけで背景は整った。いつもの手順で、ダークとフラットはRAP2で、色調補正とおおまかなトーンをPhotoshopCS6で整えてRAW現像、DeepSkyStackerでコンポジット。またPhotoshopCS6に持ち込んで、輝度マスクで高輝度部分を保護しながらレベル補正を繰り返してトーンを整え、チャンネル減算マスクとトーンカーブで赤成分と青成分を強調している。背景の荒れは、NikCollectionのDfineの自動補正にお任せ。ごくわずかにピントを外してしまっているのだが、ほぼ画面全面を利用できるのでシャープネスは合格かと。
ところで、昨年画像処理要PCを新調したのだが、PhotoshopCS6の認証サーバーが一昨年秋に停まってしまっているので、ディスクを持っていてもインストールすることができない。輝度マスクはPhotoshopに特化した使い方で、簡便ながらも仕上がりが自然なので、他ソフトで代替することができない。かといって、現行のCCシリーズではランニングコストが高くなるので、不安定になってきたMacBookProを、できるだけ大切に使わないといけないようだ。
]]>25:00前に現地について、25:30すぎには撮影可能に。さっそくC/2021R4を狙ってみたところが、まだ厚いモヤの中にあって全くだめ。そこで、高度が高いM13を狙うことにした。
<撮影データ:2021年4月11日02:06:13〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(冷却無し),ISO1600,3min,8コマコンポジット,AstroLPRtypeII使用>
ω星団に次いで大きい球状星団とはいえ、焦点距離428mmではさすがに小さく、これは中央1/3ほどを切り出したもの。気持ち良いようにピントが合っているのも久しぶりだ。おかげで左上の小さい系外銀河も細部までよく分解している。あとは安定性がよくなっているかどうか・・・
<撮影データ:2021年4月11日02:48:46〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(冷却無し),ISO1600,3min,8コマコンポジット,AstroLPRtypeII使用>
そうこうしているうちに、C/2021R4の高度があがってきたので、同じ条件で撮影した。これも中央1/3ほどを切り出したもの。いま見えている彗星のうちでいちばん明るいとはいえ、3月末で8.9等、いまは多分8.5等程度(4月21日で9.2等。どうりで暗いはずだ)。小さい彗星が0.46AUまで地球に大接近しているので、動きが速く、3分露出でも長くのびてしまうが、暗くて彗星核ガイドができない。恒星基準で撮影してコンポジットしたら、30分間にこれだけ移動していた。撮影時のプレビュー画面でもコマの緑色が印象的で、コマごとにどんどん移動しているのがはっきりとわかる。
同じデータセットを彗星基準でコンポジットしてみた。コマを強調してみたら、うっすら右下の方に尾が出ているようだ。実はこの画像はわずかにピンぼけになっている。時間が経つとピントがずれるのは以前からある症状だ。鉄鏡筒だけど、どうやら温度変化によるもののようで、F3.29の厳しさを感じるところだ。これを解決するには鏡筒のカーボン化しかないだろう。当然ワンオフになるのでまだ検討すらしていない。
<2021年4月11日04:07:43〜,R-130SS(d=130mm,F3.29),EOS600Da(冷却無し),ISO1600,3min,8コマコンポジット,AstroLPRtypeII使用>
予定の撮影をこなしたので、暗いうちにフラットフレームを撮影。まだ薄明まで少しあったので、白鳥痤のNGC6888三日月星雲を狙ってみた。
ちょうど冬のくらげ星雲とそっくりな姿だが、あちらが超新星残骸なのに対して、こちらは赤色巨星から放出されたガスだということだ。その赤色巨星は水素の外殻を失って、ウォルフ=ライエ星という青色巨星になっている。この星から噴き出す恒星風が昔放出したガスにぶつかって星雲を光らせているというわけだ。
画像処理をすすめていくと、赤い泡の中にかすかに青いもやもやが写っているようなので、もっと露出を伸ばして撮り直したいところだ。
さすがに04:30頃になって、最後の2コマは薄明の影響をうけていた。ダークフレームを撮影しながら撤収、すべて順調な出撃だった・・・いや、トラブルはひとつだけ。最近調子が悪い痔がまた暴れていて、M13撮影の途中からは痛みに耐えながらの作業になった。ここは他に誰もいないし、人工光もないかわりに、トイレすらない。それを考えると、当面はトイレがある白木峰か宝原を活動拠点にするのが良いのではないかと思う。
]]>これが改良前の状態。板金製の純正バンドは幅が広く、斜鏡スパイダーと接眼部の間には入らない。そこで補正板セル近くに巻いてみたら、補正板が圧迫されて星像がひずんでしまったので、こういう形で落ち着いている。
これはバンド交換後のテスト風景。接眼部が横向きなので赤緯バランスは完全では無いが、だいぶ負荷は軽くなったと思う。これでもバンドを締めすぎると補正板セルにひずみがでるので、締めすぎないよう注意している。
クリニック庭から、M3をつかって星像確認。ISO3200の60秒を9コマコンポジット。ダークもフラットも引いていないので、周辺減光とミラー切れがよくわかる。
中心と四隅の50%縮小画像はこんな感じ。コリメーターは芯を喰っているわけではないが、ほぼ実用域までは追い込めていると思う。しばらくこの状態で運用してみよう。
]]>冬の間にすこしだけ雪も積もったし・・・
梅を皮切りに、花の季節に。これは東長崎、虎馬苑の梅。
クリニックの庭はユキヤナギと連翹からはじまり・・・
若葉が加わり賑やかに。
たまには滲まない写眞など。
もちろん太陽修行も続けている。第25周期は低調ながら立ち上がったが、太陽望遠鏡のブロッキングフィルターの劣化が進み、彩層が部分的にHαから外れたり、コントラスト強調でカメラのホコリを消しきれないようになったり、逆風状態。質の悪い画像を大量にアップすると、すぐ容量オーバーになりそうなので、太陽活動はよほどのイベントが無いかぎりは載せないようにしよう。
夜間活動は3月末からぼちぼち。VC-200L復活計画は度重なるコリメーター誤発注のあおりで全く進まず、25cm改造計画もトップリングの構想で行き詰まったまま。一方、完成したつもりだったR-130SSシュミットニュートン改造計画は、すこし進展がみられた。それでもバッテリー容量不足のためフル稼働にはほど遠い状態である。
こんな感じなので、今年のブログ更新は、まったりと行くつもりでいる。
]]>VK70Rで滲み初め。良い具合です。
コロナ禍のまっただ中。参拝する足元にも距離を保つように線が引かれていました。
そして、社殿裏の祐徳住吉稲荷様にも。というのは、初夢に狐が出てきたからです。商店街で若い狐が追われていて、どうらや何かやらかした様子。それを捕まえて、まあ3日ほどウチで大人しくしてくれたら安全なところに放してあげるから、と言ったらえらく大人しくなった。そこで目が覚めたが、もしかしたら3日ほどお出ましになるのかな・・・と思った次第。もちろん3日の夜にも参拝して、送ってさしあげました。ムスメは現実世界では全ての願いが叶うような大吉をひいて、大喜び。しかし天命を賜るには、人事を尽くさねばならないんだぞ(^^)
明後日から、いよいよムスメの受験本番です。
]]><2020年12月10日14:01:58撮影>
<2020年12月12日13:21:36撮影>
<2020年12月14日12:54:33撮影>
<2020年12月15日13:10:12撮影>
<2020年12月17日15:02:18撮影>
<2020年12月18日13:09:26撮影>
<2020年12月26日13:01:54撮影>
<2020年12月28日14:09:07撮影>
<2020年12月31日14:04:25撮影>
12月中旬から月末にかけてもまた南半球優位が続いている。活動領域は次々と現れ、プロミネンスも目立つものが増えてきた。ほぼ1ヶ月半ほどは、南半球が賑やかな状態が続いている。次の1年は北半球が活発になってくればよいが・・・
2020年の太陽観測日数は、1月 6回、2月 11回、3月 11回、4月 13回、5月 13回、6月 13回、7月 8回、8月 17回、9月 10回、10月 16回、11月 12回、12月 17回の、合計147日だった。2018年は176回、2019年は155回だったので、すこし減っている。極小期の寂しい眺めがあまりにも長く続くので、半分モチベーションが下がっていたのが原因だろう。とにかく南半球は活発になったので、2021年はまた日数を伸ばしていきたいものだ。
]]>
撮影データ:2020年12月1日13:02.8,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,SV305,(L:1/250sec,RGB:1/125sec),45fps,1分の動画をL,RGBそれぞれ8本、 Autostakkert閾値15%でコンポジット
仕事と天気、シーイングがなかなか合わず、そうこうしているうちにも火星はどんどん小さくなる。ようやく望遠鏡を設営できた日は、火星までもが瞬くようなとんでもない悪条件。UV/IRフィルターを外したL画像でも、前回のRGBのときと同じくらいしか見えない。コンポジット閾値20%では細部が出ないし、10%では粗くなる。中間をとって15%にしたら、なんとなく丸い印象に仕上げることができた。それでも25cmとしては描写は不十分。ようやくカメラの設定が見えるようになってきたかな・・・というところで今期の火星はゲームセットのようだ。また1年、木星と土星でじゅうぶん練習して、次の火星に望もうかと思う。
そうそう、惑星がオフシーズンになったことだし、また25cmニュートンの工作を再開しないといけないかも。トップリングの構想はぼんやりと固まってきたが、自分の工作能力を考えると、最大の難関になりそうだ。
]]><2020年11月21日13:06:45撮影>
<2020年11月24日12:57:47撮影>
<2020年11月26日15:25:31撮影>
<2020年12月1日13:03:04撮影>
<2020年12月2日12:55:52撮影>
<2020年12月3日14:22:50撮影>
<2020年12月4日13:30:29撮影>
<2020年12月8日13:03:53撮影>
<2020年12月9日12:52:45撮影>
11月終わり頃には北半球にも小さい活動領域が見えていたが、12月初旬にかけて、とにかく南半球優位。次々と黒点を伴う活動領域がまわってきて、肉眼黒点まで現れた。いよいよ12月。2020年の太陽修行も大詰めになってきた。
]]>撮影データ:2020年11月4日24:04:30,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,SV305,1/125sec,45fps,9024フレームコンポジット
単調な位相だが、なんとかメデューサの涙を描出することができた。しかし、9月27日の画像と比べるとひどく赤みが強く、見えているはずの雲もよく分からない。
撮影データ:2020年11月14日・撮影時刻不明,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,SV305,(L:1/250sec,RGB:1/125sec),75fps,1分の動画をLは16本、RGBは8本、Autostakkert閾値20%でコンポジット
この日は気流がメロメロ。前回模様がくっきり見えた1/125sec露出でもぼんやりとしか見えない。そこでためしにIRカットフィルターを外してみたら、1/250secでもなんとかなりそうだ。かわりにカラーバランスが滅茶苦茶になるけど。1/250secの画像をモノクロにして、フィルターありの画像とL-RGB剛性をしてみたところ、北極の靄の描写もまあまあで、けっこう使えそうだ。ただ厳密には、L画像とRGB画像の撮影時刻のずれのため、目立ちにくいが色ズレを起こしているはずだ。
この日は太陽湖が正面にきていたが、11月12日に発生したダストストームがひろがってきて、太陽湖左下のマリネリス峡谷を埋めて明るい線になっている。もう夏のような気流は望むべくもないし、火星も目に見えて小さくなってきたが、ダストストームの動向はもうしばらく追いかけてみたい。
撮影データ:2020年11月21日13:29.8,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,SV305,(L:1/250sec,RGB:1/125sec),75fps,1分の動画をLは16本、RGBは8本、Autostakkert閾値10%でコンポジット
この日は盆以来の宝原に出撃。到着が21:30で、夜半には曇る予報だったので、光軸修正もそこそこに撮影開始。前回の反省で、IRカットフィルターありのRGB動画を4本、フィルター無しのL動画を16本、RGB動画を4本の順んで撮影することにした。曇る前で湿度が高く、途中外したフィルターに露がついたので、DBK21につけていた予備のフィルターに交換するなどトラブルはあったが、なんとか撮影することができた。そのあとシリウスに向けて見ると、光軸はしっかり外れている。調整してみたが、主鏡まで夜露で曇っており、雲も出てきたのであきらめて撤収した。
火星は、左側にサバ人の入り江〜子午線湾、右側にクリュセが見えているはずだが、サバ人の入り江と子午線湾の間がダストストームで分断され、そこから中央部、南極冠の手前あたりまでが朦朦として模様が判別できない。ダストストームが拡散しているようだ。今回は、自転のキャンセルにWinJuposを使ったので、L画像とRGB画像の時刻のずれはほとんどなくなった。コンポジットの閾値を絞り込んだこともあり、気流の割りには細部まで描出できていると思う。しかし、どうやら閾値を絞りすぎたためか、前回より平板な印象になってしまった。カメラの撮影条件の追い込みは、まだまだ続きそうだ。
]]><2020年11月11日12:54:18撮影>
<2020年11月12日13:34:09撮影>
<2020年11月13日12:57:10撮影>
<2020年11月14日13:12:12撮影>
<2020年11月18日12:46:22撮影>
南半球は、新しい活動領域が入れ替わり立ち替わり回ってくる。いずれも黒点を伴っていて、複雑な形状のプラージュが取り巻いている。規模もだんだん大きくなっているようで、特に18日に南東縁から現れた活動領域は、東西にずるずると細長く、見事なものだ。
一方の北半球は、小さい(とはいってもしっかりした)活動領域がちらほら出るくらいで、この期間中は静か。高緯度にポーラークラウンフィラメントが並ぶなど、まだまだ極小期の特徴を引きずっているようだ。第25周期も、前周期同様に南半球の活動が先行しているらしい。
]]>ところがある朝、小長井で天体撮影をした帰り道、ここの干陸地にうっすらと朝霧が這っているのを目撃した。まるで海だったときの記憶のように、ちょうど満潮の海水面ほどの高さで拡がっている。そこで翌年のコスモスの時期に明け方行ってみたところ、見事な朝霧に遭遇した。
そのときはまだ、カメラがKissX2であったため、80Dを入手してからもういちど撮りたくなった。そこで毎年コスモスの時期に気温と相談しながら朝駆けをしているというわけだ。
今年はまず、11月3日に出撃したが、最低気温が10度ほどあり、霧のキの字もなかった。ちなみに昨年も一昨年もまったくの空振りであった。
しかたないので、ソフトレンズで強制的に滲ませてみる。ここのコスモス園は、敷地内に水路や橋、木立などの変化があって、白木峰より好みである。
午後は島原の火振山公園へ。平成新山にかかる光芒が見事だった。
小江もここも、コスモスが平面なので画になる構図は意外と少ない。
そして11月5日にまた小江へ。最低気温は6度だが、風があったので霧は出なかった。というか、水路からちょっとだけ湯気がもわもわと出て、5分ほどです〜っと消えてしまった。
太陽がのぼると気温が上がるので、霧はあきらめ。
通勤ラッシュが始まる前に撮影終了。
11月12日、こんどは風が弱いので、水路だけでなく遊水池からも湯気があがっている。
うっすらと拡がってきたが、このあとすぐに消えてしまった。
4,5分すると、またうっすらと拡がってくるが、これ以上濃くなることはなかった。
朝日がのぼって、この日も撮影終了。今年は結局、ぎりぎりで朝霧未遂。また来年に期待することにしよう。
]]>
異様なのは、皆が同じところに並んで、同じカットを狙っていること。たしかに画になるアングルだが、広報誌などで見慣れてしまった陳腐な構図でもある。これが半月ほどしてから、某ネットメディアに『念願の1枚』と紹介されていたので、また驚いた。その画像、彩度が高いうえに、本来影に落ちるはずのコスモスが空と同じくらい明るくなっている。まるで曇りの日の花を朝焼けの空と合成したような雰囲気で、明らかにいじりすぎ。もうすこし自然に仕上げたいものだ・・・
というわけで、シャドウをすこし持ち上げたが、日の出前の雰囲気は崩さないようにした。人混みの異様な雰囲気の片鱗はわかるかと・・・個人的に好みの構図は、最後のカットのとおり、階段の途中。桜の梢が水平線の単調さを破っていて、花で近景をつくることができる。ここには誰も立っていなかった。
もうひとつは、小江の干陸地のコスモス。こちらは水路や橋があったり、木立があったりして、風景としては白木峰より好みである。久しぶりにジンバルを使ってみたくて、夕方前に持ち出してさっと撮影してみた。すこし水平がずれているようで、調整しないと。
実は、こちらの場所は朝霧がでると幻想的になる。3年前に遭遇したのだが、その頃はまだカメラがEOS KissX2だった。80Dにしてから撮ってみたくて、秋になるたびに通っているが、一昨年も昨年も不発。今年も出撃したが、その顛末はまた別エントリーにしよう。
]]><2020年10月30日13:10:05撮影>
<2020年10月31日13:21:37撮影>
<2020年11月4日13:09:51撮影>
<2020年11月6日12:35:40撮影>
<2020年11月8日12:47:16撮影>
<2020年11月9日13:00:40撮影>
南半球の活動領域が西縁に没し、また静かな眺めになるのかと思ったら、南東縁からあたらしく活動領域が現れた。黒点を伴う立派なものだ。北半球にも小さい活動領域があって、どちらも第25周期。新周期は確実に活発になってきているようだ。
そして、11月に入って、太陽高度が下がってきたので、ようやくクリニック2階の窓から狙えるようになってきた。時折電線に邪魔されるのが悩みではあるが、窓をさっと開けるとすぐに撮影にかかることができ、駐車場まで抱えて往復するのに比べるととても楽である。2月半ばまで、しばらくは楽することができそうだ。
]]><2020年10月17日13:21:32撮影>
<2020年10月18日15:55:04撮影>
<2020年10月20日13:16:10撮影>
<2020年10月23日13:31:07撮影>
<2020年10月25日13:21:20撮影>
<2020年10月29日14:44:27撮影>
10月14日に南東縁から現れた活動領域は、はっきりした黒点と複雑な形状のプラージュをみせながら、彩層面を西に横切っていって、23日にはだいぶ南西縁に近づいている。また、20日には北東縁に大きなプロミネンスが立ち上がり、数日間楽しませてくれた。それも一段落したかと思っていたら、26日には南半球の子午線付近で活動領域が急に発達してきた。しかし、26,27日の両日は、エタロンフィルターの調整を間違えて、まともな画像がとれなかった。29日になって、ようやく撮れたが、稲藁を焼く煙霧とPM2.5のせいでコントラストが上がらず、彩層画像とプロミネンス画像を合成するためのマスクをつくるのにひどく苦労した。活動領域は、3群にわかれた複数の黒点と、それらをとりまく複雑で明るいプラージュからなっている。第25周期、南半球ではしっかりと立ち上がってきたようだ。
]]>撮影データ:2020年9月27日23:24:41〜23:35:02,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,DBK21Au618As,1/60sec,30fps,2000フレームコンポジット
撮影データ:2020年10月1日00:30:20〜00:42:20,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,DBK21Au618As,1/45sec,30fps,10800フレームコンポジット
撮影データ:2020年10月13日23:58:22〜24:08:29,ORION25cmF4.8,TeleVue5xバーロー,ZWO ADC,DBK21Au618As,1/45sec,30fps,6000フレームコンポジット
盆に火星を撮影したときは、光軸はしっかり合っていたように思う。ところがその翌週に撮影しようとしたところ、光軸不良で像が2重になっていて没。そのあと、まさかこんなに光軸で苦戦するとは思わなかった。きれいに合うときには、接眼部を回転させてもレーザーコリメーターの光点はぴたりと止まるのだが、センタリングアイピースでは合っているように見えても、光点のぶれが止まらない。ためしに覗いてみると、像はしっかり乱れている。それらのうちから、なんとか使えそうな像を選んでみた。それでも25cm本来の解像力には遠く及ばない。今期の火星は大黄雲の発生もなく、模様がくっきりと見えているだけに残念だ。
そして星に関する不満がたまると、物欲大佐が蠢き出す。DBK21は良いカメラだが640x480では今の御時世、どうも見劣りがする。特にADCを導入してからというもの、拡大系がテレセントリックのバーローになったので、じゅうぶん拡大できない状態である。かといって、最近の高精細CMOSカメラは少々高価で・・・といってるうちに、現在主流のZWO ASI290MCと同じ裏面照射CMOSを採用したSV305というカメラがSvBonyから出ているのが大佐の目にとまった。作例を検索してみると、すこし赤みが強いような気もするが・・・そこはなんとかなるかも・・・何と言っても安価だし・・・でも色で苦労しそう・・・と逡巡していると、SvBonyとサイトロンがコラボした、SV305SJというのがあると発覚。1.25"アダプターやUV-IRカットフィルターまでセットで、あとは撮るだけというお手軽セット。大佐がおもわず撃墜してしまった。
あとから確認すると、撃墜したのはまさに発売当日。そして秋のスターパーティーの朝に着弾した。これはさっそくファーストライト・・・と思ったが、またもや光軸が合わない。夕方から苦闘して、なんとかほぼ合ったかもというところで、夜半前に白木峰へ。すると到着早々曇ってしまった。なんでも宵のうちは気流も落ち着いていて、入れ違いで撤収された嬉野Kさんはすばらいし画像を撮影されていたのだが・・・
ちょうど居合わせたYさんに、ひさしぶりに光軸を見ていただくことになり、斜鏡の向きはほぼ良いけど、主鏡がまだということで、雲間からシリウスを使ってほぼ合うところまでいった。ところが火星は雲隠れ。仕方ないのでファーストライトはライブスタックで、ということになってオリオン大星雲の中心部を狙ってみた。
これは2秒露出の10フレームコンポジット。露出をもうすこし伸ばせば、惑星状星雲や明るい系外銀河なども面白そうだ。久しぶりに光軸も合っているし・・・と思ったところが、数日後にはまたずれていた。おかげでまだまともな火星は撮れていない。SV305のカラーバランスは、初代のNexImageにも通じる神経質さがあり、きれいに決まると良い色が出そうだが、微妙な調節が必要な様子だ。これは想定内ではあるが、光軸にここまで苦労するとは思わなかった。そろそろ火星の視直径も20"を切りそうだし、なんとか大きく見えているうちにまともな画像を撮りたいものだ。
]]><2020年10月1日14:53:39撮影>
<2020年10月2日12:59:45撮影>
<2020年10月5日13:35:05撮影>
<2020年10月13日13:05:45撮影>
<2020年10月14日13:12:24撮影>
9月末に見えていた活動領域は西縁に没し、そして架台のコンピューターがダウンしたのでしばらく撮影できない期間があった。再開した13日には、南半球の子午線をすぎたところに活動領域が出来ており、そして14日には南東縁にも活動領域が現れた。ふたつとも第25周期に属している。旧周期の第24周期は見かけなくなり、新周期の活動がいよいよ立ち上がってきたような印象だ。
]]>そのしばらくあとに、太陽望遠鏡を抱えたまま階段を踏み外して、接眼部が動かなくなってしまった。これはオリジナルのヘリコイドに戻してなんとか撮影を続行。そして先日、太陽を撮影しようとしたところ、架台のコンピューターがいきなり立ち上がらなくなってしまった。
ネットであれこれ調べてみると、PCと繋いでファームウェアを更新したらよくなるかも・・・ということだった。そこで端子を確認してみると、持っていないタイプ。純正品はどうやら完売状態なのであれこれ探してみたところ、サードパーティーのを熱帯雨林でなんとか見付けることができた。さっそく撃墜してみたのだが、まともなブツが無事に届くだろうか・・・?
そこで、ケーブルが届くまでの間に接眼部を修理しようと思い立った。クレイフォードフォーカサーの4つのベアリングのうち1つが回らなくなっていた。
それを外して・・・どうやらネジがインチ規格らしい。
なんと、ベアリングが割れてしまっていた。これでは回らないはずだ。サイズは内径3/16インチ、外径3/8インチで、このサイズはラジコンなどによく使われているらしい。ネット通販では、1個だけだと送料がかさみ、10個セットとたいして変わらない価格になってしまう。ホームセンターの工具コーナーなどに置いてないか、週末にでも探しにいってみよう。
]]>池あり丘ありせせらぎあり、撮ってはいないが滝まであった。白鳥や鯉もだいぶ撮ったのだが、台風撮影のあとにタイムラプスを解除するのをわすれていて、半分ほどのカットが無駄になった。それでも完全に没るには勿体なかったので、真ん中あたりに2カットほど使っている。白鳥のタイムラプスなんて撮るものではないな・・・というのが率直な感想だ。
]]><2020年9月15日12:56:27撮影>
<2020年9月21日12:26:00撮影>
<2020年9月27日16:32:23撮影>
<2020年9月28日12:36:50撮影>
<2020年9月29日12:48:57撮影>
しばらくは静かな太陽面だったが、9月21日なって、北東縁にサージプロミネンスのようなものが見えてきた。すこし跳んで27日には、それが立派な活動領域になって見えている。28日にはちょうど赤道をはさんで対称の位置に、小さい活動領域が現れて、29日になってもまだ見え続けている。このような南北ペアになった活動領域は活発になりやすいといわれているが、今度はどうだろう?
]]>平野部で農道がまっすぐなので、撮影していても変化に乏しい。それにこの日は蝶も少なく、花の密集したところを選んで画に変化をつけるくらいしかできない。もっとも、縦は標準、横は広角相当なので、彼岸花によく来る揚羽蝶の類いはすぐ逃げてしまって撮りにくい。出掛ける前の隙間時間だったので、さくっと短い動画に編集した。
いっぽう、同時撮影のスチルはVK70Rの一本勝負。思ったほどソフト効果が出てくれないが、それがアナログというもの。これはこれで趣がある。
カメラをもっと右に振ると遠くまで花の列が続いているのだが、車道がはいると一気に興ざめになってしまうので。
逆光を絡めてみると、また独特のボケ方をする。花が光に吞みこまれるあたりがなんともいえない。MOMOと比べても、またすこし違うクセがあるようで奥が深い。
]]><2020年9月8日13:07:40撮影>
<2020年9月9日12:46:37撮影>
<2020年9月10日16:59:32撮影>
<2020年9月13日13:47:36撮影>
<2020年9月14日12:57:27撮影>
ピントに苦しみながらもなんとか撮影は続行中。9月初めは台風襲来でしばらく途切れてしまったが、その後は順調に撮影を重ねている。かんじんの太陽面のほうは、ときどき小さいプロミネンスが現れる程度で、大きな変化は無い。南半球にちいさいプラージュが現れたが、そのまま衰退してしまった。
ところで、太陽活動の極小期が昨年12月と決まり、今年は第25周期のはじまりになった。南半球の活動は昨年5月が極小で、その後は活発化してきていたが、北半球の活動が上向きにはなっていなかった。それが昨年12月を境に上昇に転じて、太陽全体が第25周期に入ったということになる。実際、今年になってから北半球の活動がちらほら見られるようになってきて、そろそろかな・・・という雰囲気はあった。極小を体験してしまうと、興味は次に移る。これから極大までどう変化していくか、楽しみである。
]]>