R-140SS改造計画・第3次試写

  • 2017.06.11 Sunday
  • 17:16

 梅雨入り3日目、夕方になっても晴れていたので、大急ぎでケント紙を積層してレデューサーコレクターの枠を作製。黒塗りする時間もなく、無塗装のままで白木峰に出撃したが、到着時には薄雲がひろがってきていた。とりあえず機材を組み上げて、晴れ間を塗っての撮影。月が明るいのでISO800の30秒露光にして、ダークもフラットも省略した。

 まずはレデューサーコレクターをEF-Sマウント面にベタ付けしたもの。すこしコマ収差はあるが、まあこんなものだろう。

 次は4.5mm浮かせたもの。これだと将来的には浮かせたスペースにMFAフィルターを装着して、光害対策やバックグラウンドの色調補正ができる。すこしコマ収差が大きくなるが、ベタ付けver. と比べても決定的に劣るわけではなさそうだ。

 次に、浮かせたver.でM13を撮ってみた。これと比較するのは・・・

 MPCC-MkIIIを使用したもの。周辺像はこれがいちばんだが、焦点距離は500mmのままなので、F3.57で変わらない。

 <撮影データ:2017年6月8日23:32:33〜,R-140SS改II(d=140mm,f.l.=428mm,F3.06),KissX2改(ISO800,30sec,8コマコンポジット)

 <撮影データ:2017年6月8日23:42:30〜,R-140SS改II(d=140mm,f.l.=428mm,F3.06),KissX2改(ISO800,30sec,9コマコンポジット)

 30秒露光でもきちんとコンポジットしたらこうなる。フラットフレームがなくて角のかぶりや底辺のミラー切れが修正できなかったので、周辺部1割ほどをコンポジットしている。こうしてみると、レデューサーコレクターを4.5mm浮かせても、たいした影響はなさそうだ。この方向でもう少し細部を煮詰めてみようかと思う。

R-140SS改造計画・第2次試写。

  • 2017.06.11 Sunday
  • 00:16

 前回の超新星迎撃で試写した準フラットシュミットver.をもうすこし検討するために、梅雨入り間近な金曜の夜に白木峰に布陣。レデューサーコレクターの位置を変えながらテストする予定だったが、急造仮パーツが使い物にならず、準フラットシュミットver.だけしか撮影することができなかった。

 <撮影データ:2017年6月3日02:20:32〜,R-140SS改II(d=140mm,F3.06),KissX2改(ISO1600,5min,5コマコンポジット)

 これまで左の北アメリカ星雲だけを狙った構図は何度か撮っている。ペリカンも入れるには500mmという焦点距離はすこし長すぎると感じていたが、今度は428mmと短くなったので、楽に構図を決めることができた。今回はダークはきちんと撮ったが、ガイドの暴走やバランス調整不足による赤経モーターの脱調などに手間をとられ、フラットフレームを撮ることができなかった。よって、ミラー切れによると思われる蹴られが画面下に残っている。

 北アメリカ星雲の立体構造については以前書いたが、これとペリカン星雲との関係を考えてみるのも面白い。ペリカンのブライトリムは後頭部にしか見当たらない。これを、メキシコ太平洋岸のブライトリムとひと組だとすれば、ペリカンと北アメリカの間の大西洋がいちばん手前にあるということになる。一方、ペリカンの後頭部を頭の左側にある輝星が照らしているとすれば、ペリカン全体が北アメリカより手前にあることになる。はたしてどちらが正解なのだろうか。

 ところで、今回の画像では、右上に強烈な環状のゴーストが出た。これまでに見たことが無いパターンなので、たぶんレデューサーコレクターによるデネブのゴーストなのだろう。本改造をするときには、しっかりコバを塗っておかないと。

架台が不調。

  • 2017.06.10 Saturday
  • 23:59

 <2017年6月2日13:03:52撮影>

 <2017年6月3日13:33:20撮影>

 <2017年6月5日12:49:18撮影>

 <2017年6月8日13:31:45撮影>

 <2017年6月9日08:20:20撮影>

 <2017年6月10日13:10:24撮影>

 今回は昼に撮影した画像がほとんどだが、朝撮らなかったわけではない。ただ、朝に薄雲があって昼に快晴だったり、放射冷却のせいか窓をあけたときのシーイング悪かったりして、昼に撮影した画像を使ったというだけである。6日に梅雨入りしたというのに、なんとか雲越しにでも撮影できるのはありがたい

 太陽面はといえば、東縁から出てきた2661群が、徐々に活動を弱めながら西縁近くまで進んできた。プロミネンスも全体的に元気が無く、太陽活動が低調であることを体感している。なんでも、5月以降北極海の海氷面積が急増しているということで、一時的なものなのか、それとも長期的なものなのか要注目である。

 ここで機材について。実は4日の日曜も晴れていたのだが、どうしても電源が入らず断念した。その前から電源が一発で入らなかったりして、接触不良だろうとは感じていたのだが、それが何処なのか判らなかった。一時はオーバーホールと長期欠測を覚悟したが、翌日にはあっさり電源が入った。そこでテスター片手にあれこれ探ってみたところ、電源ケーブルのコネクターが断線しかかっていることがわかった。とりあえずおさえつけてガムテープで固定しているが、そのうちきちんと修理しないといけないだろう。

R-140SS改造計画・新たな改造の可能性。

  • 2017.06.01 Thursday
  • 22:49

 すっかり安定運用に入っていたR-140SS改であるが、最近、気になる記事をみつけた。改造初期にR-130S用のレデューサーではまともに結像せず、次にTeleskopのコマコレで星像が甘くなり、レデューサー系の改造は諦めていたのだが、最初に現実的では無いと除外していたフラットシュミット化にチャレンジしている。

 もともと、シュミットニュートン改造の王道は、田中光化学さんのフラットシュミットだろう。ミードのSN8とSN10をベースにしているが、同じ改造をR-140SSで行おうとすると、焦点距離が短いのでレデューサーコレクターとセンサー面の距離が近すぎて、DSLRが使えなくなってしまうという致命的な難点がある。そこで、従来R-140SSの改造には、R-130Sの鏡筒を使った準シュミット化や、1m長の鏡筒を新造しての純シュミット化が選択されるとこが多く、あとはコマコレクターでごまかす私の方法くらいだった。

 そこに現れたのが、準フラットシュミットといっても良い今回の方法で、なんとおなじみ『10分で完成 組立天体望遠鏡15倍』の対物レンズをレデューサーコレクターにしようというものだ。これがEOSのEF-Sレンズ用の凹みにぴたりと嵌まるところがミソで、フランジバックよりも短い位置に配置することができる。しかも、内径40mmで厚み10mmのリングがあれば、マウント面とTリングでレンズを挟み込むことができる。コレクターとしての位置が像面から少し遠く、球面収差を補正しきれていないので、どれくらいの星像になるか、MPCC Mk-IIIと比べてみたいところだ。さっそく取り寄せることにした。レンズの固定法をあれこれ考えていたが、超新星狙いでスクランブルをかけることになり。工作している時間はないので、とりあえず間に合わせにケント紙を積層して黒マジックで内側を塗ってスペーサーリングにした。以下は試写結果など。

 まずはいつもの素のままのR-140SS。中央の星像は鋭いが、周辺は盛大なコマ収差が出るところもお約束。

 そしてこれがレデューサーコレクター仕様。コマは多少残ってはいるが、かなり改善されている。コマコレクターと比べると1/10ほどの価格しかしないが、これは驚きの性能である。組立天体望遠鏡畏るべし。

 そして写野は違うが、こちらがMPCC Mk-III仕様。周辺像はわずかに崩れるが、これが一番フラットだ。これだけ見れば、やっぱりMPCC Mk-IIIで行こうかとも思えるのだが・・・

 写野全体をみると、こうなる。左はMPCC Mk-III仕様、右が組立天体望遠鏡仕様。露出と感度は揃えているが、左はEOS600Da+HEUIB-IIでダーク、フラット減算、右はKissX2でダーク無し、周辺減光簡易処理、処理のパラメーターも異なるので直接の比較はできない。しかし、右も充分にシャープではないだろうか。それにレデューサー効果も加わるので、なんとd=140mm,fl=428mm,F3.06というスペックになる。これはε130のd=130mm,fl=430mm,F3.3というスペックにとても近い。コマがすこし残っているのと、中心星像がεの10μに比べて15μ程度とすこし劣ってはいるが、εに匹敵するといっても良いかもしれない。

 このプランを実用化するためにはいろいろとハードルがある。まず手持ちのフィルターとの併用。はじめはMFA枠にステップアップリングを用いることを考えた。コレクターが少し遠くなるので像は悪化するが、これがいちばん簡単かと。ところが試してみたところ、MFA枠には普通のステップアップリングは装着できず、この案は没になった。フィルターを2インチにすれば問題ないが、カメラレンズでもフィルターを使いたいのでMFAは譲れない。

 そこで現在考えているのが、Tリングのほうにコレクターを装着する案。実はTマウントの内側には49mmフィルターネジが切ってあり、クローズアップレンズをレデューサーにするときによく利用されている。ここに内径42mmのリングをつけて、マウント面よりもカメラ側に突出させる。そしてその先端(カメラ側)に37mmネジを切ってMFAフィルターを装着できるようにすれば、コレクターの位置はMFA枠(ネジ含む)くらいしか移動せず、像の悪化も最小限度におさえられるはず。カメラ側のMFA枠は外す必要があるが、これはネジを使わない現行型のMFA枠にしてしまえば問題ないだろう。すっかり安定運用かと思っていたR-140SS改、またひとしきり楽しめそうな雰囲気だ。

EM-200復活して超新星迎撃。

  • 2017.06.01 Thursday
  • 21:54

 昨年11月に、暴走が止まらなくなってTOMITAさんに修理に出していたEM-200が帰ってきた。はじめは回路に異常なし、ということだったが、どうしても暴走するのでとタカハシにかけあって、基板交換になったということで、どうもありがとうございます。折しもNGC6946に12.8等級の超新星が見つかったとのことだったので、迎撃のためスクランブルをかけた。

 金曜の夜で、翌日も仕事を控えていたので、場所は近場の白木峰。久しぶりのEM-200は、やはり腰にこたえる。前日に光軸調整していたR-140SS改を出して、いざ極軸を合わせようとしたら、どうやら明視野照明が切れている。断線なのか繋ぎ忘れなのか定かでは無いが、ヘッドランプの赤色光を頼りになんとか調整。電気浮き利用で照明装置をつくるか、これを機会にPoleMasterを導入するか。どちらかというと、後者のほうが面白そうである。ここで、出発直前に工作しておいた仮パーツをテストして、それから超新星の迎撃作戦に突入した。

 <撮影データ:2017年5月27日01:32:54〜,R-140SS改+MPCC Mk-III,EOS600Da(HEUIB-II,ISO1600,5min,4コマコンポジット),トリミング>

 今回は自動導入の暴走は無く、ピント確認の恒星から目的のNGC6946まで、サクサクと快適に視野に入ってくる。ところがガイド中に暴走が再発して、数コマ無駄にしてしまった。どうやら赤道儀ではなく周辺システム側に原因がありそうで、実に厄介なことになった。暴走のほとんどは、露出終了して画像データがPCに転送され、DPPが立ち上がり、画像を確認しようとしたタイミングで発生している。そこで、次回からはDPPをあらかじめ立ち上げておいて無用な負荷変動を避けるようにしようと思う。地味な作業だが、ひとつひとつ原因を潰していく他はなさそうだ。

 スカイフラットとダークフレームもしっかり撮影したので帰りは遅くなったが、かわりに処理は比較的楽だった。露出不足気味でコンポジット枚数も少ないので荒れてはいるが、翌日も夜に会合があったり、その次の日は日帰りで大阪出張だったり、ハードスケジュールだったので仕方が無い。

 このNGC6946、昨年GWに撮影していたので、比較してみた。カメラがKissX2改から600Da(自称)にかわり、HEUIB-IIフィルターが入って色調の調整も楽になったように思う。超新星は黄線でマーキングしたところに、銀河中心よりも明るく写っている。とりあえずは迎撃成功ということにしておこう。そして、このときにテストした仮パーツについては別エントリーで触れてみたい。

 余談だが、撮影中に少し下のほうの木立の闇から、なにやら甲高い動物の鳴き声がきこえていたが、帰途に養豚場のあたりまで下ったときに、道端に猪ご一行様を目撃した。一瞬、『え?どうして豚が道路に出てる?』と思ったのはさておいて、白木峰駐車場周辺は猪避け柵も無いようなので、撮影中に遭遇しないよう気をつけないといけないだろう。

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