大量コンポジット!

  • 2018.07.25 Wednesday
  • 22:23

 7月14日夜は、久しぶりの新月期週末晴天。調整をすすめてきた25cmニュートンを持って、いよいよ火星本番とばかり、白木峰に出撃した。

 望遠鏡を組み上げて、さあ極軸をあわせよう・・・としたところ、トラブル発生。なんと電源が入らない。バッテリーは月曜に車載していたので、もう寿命かとがっかりした。初代の天文用バッテリーだったVoygerは10年近くもったというのに、次のLongのバッテリーは4年ほどで昇天し、3代目も同じLong、まだ2,3年しかたっていないはずだが・・・

 気を取り直して、パーツ箱をあさってシガーライターの分岐ケーブルを掘り出した。赤道儀の電源ケーブルは車からとっていた時期もあるので10mもある。問題はPCのほうで、ケーブルをピンと張って空中で結線し、窓から引っ張り出さないといけない。分岐プラグが宙吊りになるので、緩んでないか時々確認する必要があった。また厄介なことに、車のエンジンをとめた状態でバッテリーを使っていると、定期的に電源を落とされてしまうことがわかった。どうやらバッテリーが上がらないよう対策されているようで、そのたびに火星は写野から逃げ出し、あわてて導入しないといけなかった。

 そうして撮影した火星は、前半は1/30secの30fps、後半は1/60secの60fps、いっけんシャッタースピードが速くコマ数が稼げる後者のほうがよさそうだったが、いざ処理してみると、たっぷり露出がかかった前者のほうが結果が良かった。更に良い結果を得るために、今回はじめてWinJuposにチャレンジしてみた。90秒ずつ5本連続撮影していたので、それぞれ1500フレーム超をコンポジットし、ごく軽くウェーブレットをかけてWinJuposに取り込み、デローテーション合成した。それを更にウェーブレット、最大エントロピーをかけて、7516枚コンポジットの画像ができあがった。さすがにこれだけの枚数をコンポジットすると、かなり強い処理も受け入れてくれる。おかげで25cmらしい解像度を叩き出すことができたようだ。

 <撮影データ:2018年7月15日02:29:05〜,英ORION25cmF4.8,TeleVeu5xバーロー,ZWO ADC,DBK21AU618As,1/30sec×7516フレームコンポジット>

 上が南、ダストで汚れた南極冠と青白く輝く北極雲の対比が印象的だ。そして朝の地平にはオリュンポス山が暗い斑点になって見えており、その左上にはタルシス地方の巨大火山群が斜めに並んでいる。一方、中央上にあるはずの太陽湖は輪郭不明瞭。不規則な明部はダストストームのようだ。中央左には、明るいダストストームで満たされたマリネリス峡谷が見えている。そこから夕方の地平線にかけてはモヤモヤと埃っぽく、ダストストームに覆われているようだ。今回はたまたま連続撮影できていた動画を処理してみたが、これを15000フレーム規模にすると、更に強い処理ができるようだ。そのためには動画の撮影を計画的に行う必要があり、またカメラの解像力の限界にぶちあたるかもしれないが、火星が大きい間にぜひやってみたいものだ。

 そうそう、今回トラブったバッテリーだが、帰宅後に電圧をみるとしっかり12V出ていた。それなら10年以上使ってきたケーブルが怪しいと、数年ぶりに自動後退に入ったところが、シガーライターソケットはどれもリング状に青く光るものばかり。なんとか問題無さそうなのを見付けて、電源ケーブルを新調した。後日、白木峰で運用テストして、問題ないことを確認している。

惑星リハビリ。

  • 2018.06.23 Saturday
  • 22:21

 

 <撮影データ:2018年6月22日00:43:05〜,英ORION25cmF4.8,TeleVue5xBarlow,ZWO ADC,DBK21AU618As,1/30sec,30fps,90sec,2000コマコンポジット,ウェーブレット,最大エントロピー処理>

 

 先月から重い腰をあげて一昨年入手していた25cmニュートンの整備をして、ようやくまともな像を結ぶところまで到達した。整備中はクリニックの駐車場でテストしていたが、南西側の大型スーパーの熱気で気流が落ち着かず、ある程度の目処が立ったところで白木峰に出撃した。

 はじめは西に傾いた木星を狙っていたが、だんだんとシーイングが悪くなってきて、まともな像を結ばない。今回から新しく使っているFireCaptureの操作練習をして、最後に火星に向けて撮影。ADCの調整まではFireCaptureでしておいて、使い慣れたICcaptureで撮影した。

 25cmの集光力はさすがに強烈で、240倍でも眼視ではまぶしくて南極冠がなんとかわかる程度。モニターにはうっすらと大シルチスが浮かびあがってきた。処理してみたらこんな感じで、そこそこのシーイングと旧世代のカメラにしてはまあまあの像になったかと思うが、まだ25cmにしては不満が残る。おりしも火星は大黄雲が発生中。大シルチスの南半分からヘラス盆地にかけての輪郭がおかしいのはそのためだろう。もうすこし光軸を追い込みたい気もするが、先日はそこから狂わせて酷い目にあったし、どうしようかと迷っている。

今年も生やしてみたが・・・

  • 2018.02.21 Wednesday
  • 20:00

 新月過ぎの土曜、AstroGPVでは曇りの予報だったが、23:30頃に外を見るとまだ晴れていたので、貴重な週末とばかり小長井に出撃した。機材を設営したのが25:00頃、そこからカメラをセットしたりガイド環境を整えたりして、まずはゴースト確認のために西天に向けて鏡筒蓋を閉めて露出したところ、例のゴーストは見当たらなかった。どうやら光路中の何かが原因になっているようで、原因の絞り込みにはしばらく時間がかかりそうだ。最悪の場合は周辺をトリミングして使わないといけないかもしれない。

 さて、次はいよいよ本番撮影。M101にするか、マルカリアン銀河鎖にするか、それとも触覚銀河にするかと全天をみまわしたら、さっきまではなかった筋雲が北西からひろがってきた。すこしでも晴れ間が続きそうな触角銀河に向けて、ISO1600、5分を12枚セットして露出開始。ところが2コマ目で早くも雲につかまり、露出中断。しばらくすると晴れてきたので再開したが、半分の6枚を撮り終えたところでまとまった雲につかまって撃沈してしまった。

 <2018年2月18日01:48:48〜,R-140SS改II(d=140mm,F3.06),EOS600Da(ISO1600,300sec,6コマコンポジット,HEUIB-II)>

 中央部をトリミングしたのがこの画像。焦点距離が70mmほど短くなったぶん対象も小さくなっているが、星像がシャープになったので、解像感は失われていない。触角をできるだけ浮き立たせようと頑張ったけど、元画像の枚数が少ないうえに、薄雲でコントラストが悪い。次第に背景も荒れてきたのでこれが限界で、予定通り12枚露出できていればと悔やまれる。春の触角は、なかなか思い通りに伸びてはくれないもののようだ。

薔薇と幽霊。

  • 2018.02.03 Saturday
  • 19:58

 新月期の週末に出張が重なっていたので、その前夜に出撃。時間も労力もかけたくなくて、久しぶりの白木峰へ。いつもの第3駐車場でピラーを組み上げると、無調整でぴたりと水平が出ていた。ピラーも高精度なら、駐車場も良い仕事してるようだ。

 今回の主目的は、ゴースト対策。接眼ベースと鏡筒の間にある隙間を黒のテープで塞いだ結果を見たかった。まずは前回の写野からすこしずれるが、C/2016R2を狙ってみた。

 白木峰ではさすがに市街光の影響を受け始めていて、おまけに飛行機も頻繁に横切るのでテストだけ。今回は右下に例のゴーストが出てきた。どうやら今回の工作も的外れだったようだ。ゴーストの光源が星なのか、架台等の照明なのか、それすら不明確になってしまった。一度、鏡筒の蓋を閉めて撮影してみないといけないようだ。

 で、時間が余ったのでせっかくだから他にも撮影を。ありきたりだが薔薇を狙うことにした。ISO1600,5分露出を12枚。今回は古い方のPHD Guidingを使って暴走なし。ところが途中から市街光の影響をうけてしまい、なんとか色補正をかけても実際に使用できたのは9枚にとどまった。

 <2018年1月19日23:20:27〜,R-140SS改II(d=140mm,F3.06),EOS600Da(ISO1600,300sec,9コマコンポジット,HEUIB-II)>

RAP2でダーク、フラット補正のあと、PhotoshopCS6でRAW現像、DeepSkyStackerでコンポジットして、またCS6に。輝度マスクでハイライトを保護しながらレベル補正で淡い部分を持ち上げ、チャンネル減算マスクとトーンカーブで赤成分と青成分を強調した。感度と露出はこれまでと変わらないが、F3.57がF3.06になったおかげで淡い部分までよく写っていたし、焦点距離が短くなったぶん、ほどよくおさまった。星像はこれまでで最高。いちばん安いレデューサーコレクターなんだけど・・・これでゴーストが出なければ、じゅうぶん満足しているところだ。

昨年の残滓と、今年の初出撃。

  • 2018.01.17 Wednesday
  • 21:18

 昨年は11月末に個別指導という仕事上の大イベントがあり、通知がきた10月末からの約1ヶ月間はその準備に忙殺されていた。その前に撮影していたデータが、撮影用PCの中から出てきたので手順のおさらいを兼ねて処理してみた。

 <2017年10月26日00:23:21〜,R-140SS改II(d=140mm,F3.06),EOS600Da(ISO3200,180sec,18コマコンポジット,Astro-LPR Type2)>

 対象は胎児星雲にして、ガイドの暴走は相変わらず発生するので、被害が少なくなるように短時間露出多数枚コンポジットの実験。案の定というか、途中で暴走したのでフレーミングがずれてしまい、8割ほどにトリミングしている。ダークは8枚、スカイフラットは4枚と手抜きしているが、思ったより良い結果ではある。輝度マスク+レベル補正で暗部を選択的に持ち上げ、赤マイナス緑のチャンネル減算マスク+トーンカーブ赤で、赤い領域を強調。うまい具合に星雲手前の星団周囲に淡い青が浮かび上がってくれた。胎児の顎と手の間のブライトリムがもうすこしはっきり出てくれればよいのだが・・・簡易処理なので贅沢というものだろう。

 そして、1月11日に今年の初出撃。平日なので白木峰にしようと思っていたが、いざ出てみると気が変わり、小長井へ。南西の空を狙うので結果的には正解だった。機材設営時にPowerShotS120の星景モードで20分。戌年の初出撃らしく、大犬座を中央にした。雲仙の右肩にカノープスがのぼってきたところで、これを見たのでまたすこし長生きできるかもしれない。

 今回は、韓国製の携帯ピラー脚のデビュー戦。昨年暮れにEM-200用アタッチメントが出来上がり、実戦投入の機会を狙っていたものだ。3本の脚とターンバックルはすべてピラーのパイプに入るようになっているので、メタル三脚と比べてコンパクトに収納できる。高さはすこし低くなるが、反射鏡筒なので好都合である。組立分解はこれまでよりすこし時間がかかるようになったが、慣れるとなんとかなりそうだ。この場所は傾斜地なので心配していたが、あっさり水平を出すことができた。

 また、もうひとつテスト項目があった。これまで悩まされてきた写野の隅の円弧状ゴースト、前回レデューサーコレクターのコバ塗りでも消えなかったので、光路上で黒になっていないところを探して、補正板のコバを塗り、補正板の枠につや消し黒のテープを貼ってみた。これで消えてくれれば良いのだが・・・

 <2018年1月14日23:28:59〜,R-140SS改II(d=140mm,F3.06),EOS600Da(ISO1600,180sec,13コマコンポジット,HEUIB-II)>

 結果はこの通り。これもフレーミングがずれたため、ゴーストが2重になり、更にもうひとつ見えている。対象はちょうどヒアデスとプレアデスの間に居たC/2016R2パンスターズ彗星で、約10等級。昨年末の頃から、暗い割には長いテールを伸ばしていたので撮りたかった対象だ。暗くて彗星核追尾ができないので露出を切り詰めて枚数を増やしている。処理もいつも通りに輝度マスク+レベル補正で、荒れた背景をニックコレクションで均してみた。途中でガイドが暴走したためフレーミングがずれたのもお約束。おかげでステライメージの彗星核コンポジットができず、核がすこし延びている。尾も同様にぶれているはずで、微細構造が出せなかったのもそのせいにしておこう。しかし、緑色のコマをかぶった核から鮮やかな青のイオンテールが延びている、これほどカラフルな彗星も珍しかろう。

 ガイドの暴走については、DSI Pro+PHD、ASCOM経由のガイドでは出なかった症状で、QHY5-LIIのon cameraガイドでPCとの相性が悪いためのようだ。普段はPHD-2のガイドを停めるとモーターも停まるのだが、何度目かの暴走ではガイドを停めてもASCOMを終了しても停まらず、PHD-2を終了させたところでようやく停まってくれた。その後は古いほうのPHDで安定して動いたが、これも以前暴走したことがあるので油断ならない。

 また、写野の隅のゴーストについてもすこし考察をすすめることができた。最初にこのゴーストが発生したのは北アメリカ星雲を撮影しているときで、デネブが光源だと思っていた。その後もオリオン大星雲を狙ったときに出現し、そして今回のパンスターズ彗星。しかし、出ないときは全く出ない。今回の撮影後にふと気付いたことに、どうもテレイーストで撮影しているときにゴーストが出ているようだ。そしてテレイーストになっているとき、接眼部がEM-200の赤緯体のパネル側にくる。ヘリコイド基部には遮光帯にすこし隙間があるので、もしかするとそこからパネルの光が入って何かに反射しているのかもしれない。すると、きまって右上角に出るというのも説明できる。まだそうと決まったわけではないが、遮光テープを貼るだけなので、次回の出撃のときに試してみようと思う。

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